
やんばる東村で育った比嘉静子(シズさん)は学校を卒業後、与那原の親戚を頼って小さな店の手伝いを始めた。そして、この世を去るまで戦後の沖縄を見つめてきた。シズさんは、幼い頃の貧しい環境の中で自分の道をしっかり捉え、戦争という悲惨な体験の中で生き抜く術を身につけた。人との出会いにも恵まれ、大家族の大黒柱としてたくましく力強く生き抜いた。筆者(実娘)は、波乱万丈の人生を送った母の姿を時にユーモラスに、時に厳しく、優しく生き生きと活写していく。沖縄とともに歩んだある家族の愉快痛快な物語であり、波乱万丈の人生を送ったシズさんの回想録でもある。
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