「たぶん、わたしが特別下手なんじゃないかな?」
「なにが下手なの?」
「十四歳でいることが」
1970年代初頭の英国、オックスフォード。14歳のクレアは、古い家具や調度品、書籍であふれた大きな家に、大おばたちと暮らしている。高齢のふたりにかわって、家事や家計の切り盛りをするのはクレアの役目だ。
ある日、クレアは物置のトランクのなかに、彩色された木の板を見つける。それはかつて、人類学者だった曽祖父がニューギニアから持ちかえったものだった。
やがて、クレアは奇妙な夢──はるか彼方で暮らす、見知らぬ人々の夢──を見るようになり、クレアの心は大きく揺らぎはじめる……。
イギリスで50年間読みつがれてきた名作、初めての日本語訳!
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