
他界した“バラばあちゃん”と、3歳の孫の“ぼく”との最期の思い出を、“ぼく”の視点で回想していくストーリー。優しい“バラばあちゃん”の笑顔、膝の間に入って絵本を読み聞かせてもらった心地よさ、おやつを分け合ったこと、3歳の“ぼく”の記憶に刻まれていく様子が丁寧に描かれています。
“バラばあちゃん”が大切にしていた庭にバラの花が咲くとき、その記憶が思い起こされ、“ぼく”の心をほっこり温かくしてくれるのです。皆さまにも、“ぼく”にとっての「バラの咲く庭」のように、故人との思い出がたくさん詰まった場所があるのではないでしょうか?
そこに立つだけで、気持ちがほっこりしたり、キューっと締め付けられたり。その方の声が今にも聞こえてくるような、そんな場所。この絵本を読み終えたとき、「あの場所に、もう一度行きたいな」と自然に思わせてくれる、優しい一冊です。
(福田貴子 絵本ナビライター)

やさしさあふれる時間と、忘れられない笑顔。湖の見える家に暮らしていたバラばあちゃんとの日々を、孫の「ぼく」のあたたかな目線で描いている。読み聞かせや食事、お昼寝などを通じて、深い交流を育んだ二人。大好きなバラばあちゃんとの大切な思い出が、心にそっと灯る物語。大切な誰かとの思い出があなたの心をあたためてくれますように…。そんなメッセージが込められた絵本。
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