12歳の夏休み、母親の生まれ育った先住民居留地で、クリー族の苦難の歴史を知っていく
少女サマー。彼女が毎晩見る、不思議な夢の意味とは……。【全米図書賞最終候補作!】
主人公サマーが、クリー族をはじめとする北アメリカ先住民の経験したつらい過去を学んでいく物語。クリー族の文化や居留地の美しい景色は、サマーにとって小さなころから慣れ親しんできたものだった。12歳の夏がくると、明るい面だけでなく、語ることを避けられてきた暗い歴史にも目を向け、受け継ぎたいという思いが強まる。
サマーは、かつて自分たちの言葉や伝統に触れることすら禁じられた子どもたちがいたこと、大好きな祖父もそのひとりであったことを知る。さらに数々の不思議な夢を通じ、抑圧のなかで生きることのつらさ、困難さを身をもって感じる。
しかし苦しい過去だけでなく、家族の愛やクリー族の伝統が多く描かれていることが、本作の大きな魅力である。サマーは祖父母たちから学び、自分を誇りに思える環境で育った。笑顔あふれる家族のひとときや美しい風景から、その様子がよくうかがえる。未来をつくるためには目をそむけずに過去を受けとめること、そして愛情を胸に生きていくことが大切なのだと、本作は教えてくれる。
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