現代物理学の基礎である量子力学は,直感的に理解するのが難しい。数学的に見ても,古典的な偏微分方程式の理論の枠組みをはみ出す部分が多い。この本においては,量子力学の物理現象を,数学的な構造として理解するための理論的枠組みを解説する。具体的には,方程式の解の存在と一意性に対応するシュレディンガー作用素の自己共役性を準備した後,解の長時間の挙動と連続スペクトルの解析である散乱理論,磁場シュレディンガー作用素のスペクトル,半古典極限の漸近解析などについて論じている。基礎知識としては,ルベーグ積分,フーリエ解析,基本的な関数解析の手法を理解していることを仮定している。
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