日本では、重度訪問介護制度の充実・診療報酬の改定など、障害者支援に関する制度が整備され、脱施設化に向けた制度が整いつつあるものの、いまだ多くの障害者が施設入所しているという現実がある。そしてそのうち多くを占めるのが、知的障害者である。
本書は、2000年代初期の障害者自立支援法制定期の歴史的・制度的構造において、社会福祉法人によってどのように知的障害者入所施設閉鎖の実践が行われ、その結果、施設を規定する自立規範はどのように変容し、再編されたのかを、北海道における施設解体の取り組みを丹念に追って、そのエスノグラフィから明らかにしたものである。
入所施設及びグループホーム制度の根底にある知的障害者観/処遇観の影響を受けながら、なぜ/どのように施設閉鎖が行われたのか、地域移行や地域生活がどのように行われてきたのか、ということを知的障害者本人・家族・職員・行政など関係者の相互作用過程から解明を行う。
続きを読む