好きなこと、きらいなこと、得意なこと、苦手なことはそれぞれ違う。あたりまえって思うかもしれないけど、友だちの気持ちを想像するって意外と難しい。自分だったらどうかな、あの人だったらどうかなと考えるヒントにできそうな絵本です。
決して単なるわがままじゃなく「(教室で)キョロキョロしてずっと動いている子」や「(体育のとき)笛の音に耳をふさいで泣いちゃう子」「(図工で)のりが気持ち悪くて触れない子」……。世の中にはいろんなことに敏感な子がいます。経験したことがないと、どうやって付き合ったらいいのかわからないのは当然。本書は、いわゆる“発達障害”のひとつのような様々な“発達の違い”、ちょっと敏感で複雑な子や、発達障害のある子に接するときの方法を、たくさんの事例とともに紹介しています。
とってもたくさんの事例が載っているので、すべてを読んで理解するのはたいへん。でも「どんなきもちなのかココロの声をきいてみよう」「どんなふうにしてほしい?」という囲みの文章を読むだけでも、ちょっぴり友だちの困っているときの気持ちが想像できるかも。
身近なクラスメイトや友だちのことを見ていて「あれ?」と思うことがあったら、親子で事典代わりに事例を探してみてもいいですね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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