学校の開校、リストラ、校内暴力、外国人教師の招聘、地方移転、ゆとり教育、英語教育、オリンピックの延期・中止問題、戦争、そして閉校。
明治?昭和の激動の時代に海軍兵学校で起こったことは、現代に重ね焼きされるようだ。
海上自衛隊幹部候補生学校(江田島)と、海上自衛隊幹部学校(目黒)の両方の学校長を務めた著者が、歴代校長の言葉で歴史を振り返り、激動の時代のリーダー像に焦点を当てる。
目次
第1章 黎明期 〜荒れた学校から紳士の教育機関へ
●生みの苦しみ「海軍兵学寮」
●幅広い優秀な人材を集めることを企図した入学資格
●勝海舟に「海軍はやめた方がいい」
●カオス状態の「荒れた学校」
●親分校長≠フ登場
●自分と教授は昇任、生徒はリストラ
●三人の海軍大将が幻になっていたかもしれない
●ダグラス軍事顧問団による混乱と変革
●やりすぎたダグラスの突然の帰国
●ポスト中牟田時代の校長たち
●怒り狂う榎本海軍卿、更迭される仁礼校長、飛ばされる権兵衛
第2章 発展期 〜江田島移転と海軍教育の確立
●江田島移転の大英断はなぜ行われたか
●「赤レンガ」がない、揺れる「東京丸」、築地に戻りたい
●海軍大学校創立と「海大の父」坂本俊篤
●マハンを呼べ
●海大教育の功労者 島村・山屋・秋山で完成する海軍戦術
●人気投票第一位 島村速雄の「単縦陣」
●「他人」が作った「円戦術」
●天才秋山が完成させた「海軍戦術」
●時代の寵児「山本権兵衛」
●反本省派(反権兵衛派)二人の兵学校長
●中牟田の首を切れ
●海軍教育グランドスラム達成者
第3章 束の間の平和 〜傑出した兵学校長たち
●軍縮の時代到来
●海のない米沢が生んだ海軍大将:山下源太郎
●「よいことならやろう」主義
●軍艦を売って、大講堂を建設
●日本海軍が生んだ逸材:鈴木貫太郎
●国際情勢と「武士道」教育
●鉄拳制裁の禁止
●たかとの再婚と四発の銃弾
…
続きを読む