アートグラフィー(a/r/tography)は,カナダの美術教育研究者,リタ・L・アーウィンが提唱する,アートとリサーチと教育への関わりを通した「生きる探求」の技法/理論である。A/r/tは,アートに加え芸術家(Artist)/研究者(Researcher)/教育者(Teacher)を意味し,多面的アイデンティティの混淆を表す。さらにA/r/tに“graphy”(記述)が加わり,アートベースのハイブリッドな探求技法となる。自己と社会の“あいだ”にアート/リサーチ/教育を通して新たな可能性を模索する人々に送る一冊。
第1章 アートグラフィーへの生成
第2章 アートグラフィー −換喩的混淆−
第3章 実践に基づく研究としてのアートグラフィー
第4章 アートとテキストを通した生きる探求としてのアートグラフィー
第5章 アートグラフィーの実践コミュニティー
第6章 実践上でアートグラフィーを辿る −可能性から潜在力へ−
第7章 カリキュラム実践における“視/界(In/Sight)”の折り拡がりの美学に向けて
第8章 研究と創造 −リッチゲート・プロジェクトにおけるソーシャリィ・エンゲイジド・アート−
第9章 不思議な体験の創出を探求する −中学校美術科でのアートグラフィー実践モデル−
第10章 ウォーキング・アート −芸術教育者としての自分を支えること−
第11章 アートグラフィーを通した生成,動いている物語と自伝
第12章 「ほんとの空」を見つけに −ふくしまをめぐるアートグラフィックな探求−
第13章 俳優・ファシリテーター・研究者の間で生きる
第14章 北九州での展示“くろい雨は2回ふったの?”を巡って−戦中体験者たちとの交流から生まれた作品群について−
第15章 創造と飛躍のあいだをめぐる探求
第16章 書くことについて
第17章 マッピング・アートグラフィー 東京ウォーキング
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