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出版社エディターズブログ

2025.12.22

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こぐま社60周年記念復刊『ほしのひかった そのばんに』 (こぐま社)

わだよしおみ・文 つかさおさむ・絵

2000年も前のある夜、不思議な星が空に光って、救い主キリストが誕生し、3人の博士や羊や小鳥たちがお祝いに駆けつけます。主イエス・キリストの降誕を賛美する感動を、力強く、美しい版画で描きます。

創業第一冊目に出版した絵本

この絵本は、来年60周年を迎えるこぐま社が、第一作目に出版した記念すべき作品です。創業者の佐藤英和がクリスチャンだったこともあり、新約聖書の記述にもとづいたキリスト誕生の出来事を、最初の絵本の題材に選びました。

キリストの降誕を描いた絵本は、当時他の出版社からも出ていましたが、注目すべきはこの絵本のつくりです。まず、縦14×横31センチという横長の判型は、60年経った現在でもかなり珍しく、発売当時は書店から「棚に入らない」と苦情を言われるほどだったとか。創業第一作目にこんな変わった形の本を出すなんて、ずいぶん冒険をしたものです。

特殊な制作工程

この絵本は、印刷や製本の工程においても特別な方法で作られています。まず印刷は、全てのページで特色インクを使用しています。通常のカラー印刷というのは、赤、青、黄、黒の4色の小さなドットをかけ合わせて様々な色を表現するものですが、特色の場合は、版画を刷る時の要領で、色ごとに描き分けた版を使って順番に色を乗せていくので、インクそのもののクリアな色がダイレクトに紙に印刷されるのです。この絵本の場合、高価な特色インクを7色も使った贅沢な仕様になっています。

また、製本はほぼすべて手作業です。この絵本の特殊な判型が、ほとんどの工程で機械の規格サイズに合わないため、現在でも一冊一冊職人が手をかけて製本を行っています。

ステンドグラスをそのまま綴じたような、美しい画面

手づくりのぬくもりが感じられる絵本を

潤沢な資金もない駆け出しの出版社が、一作目にこのようなこだわりの詰まった絵本を出した背景には、手づくりのぬくもりが感じられる絵本をそのまま読者に届けたいという強い思いがありました。その頃のこぐま社は、集団制作で絵本づくりをしており、画家を中心にスタッフが集まっては日夜議論を交わしていました。色にしろ形にしろ、内容に一番ふさわしい方法を妥協なく選んだ結果、手づくりの個性的な絵本にたどり着いたのではないでしょうか。

60年前にこの一冊からはじまった、こぐま社の原点が垣間見える作品です。ぜひお手にとってご覧ください。

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