●虫に対する愛情とこだわりが満載!
───『ふゆのむしとり?!』は『むしとりにいこうよ!』と同じ場所に虫とりに来ていますが、公園の木や葉っぱの雰囲気が夏とは違うのがすごく印象的でした。特に池のシーンは、2冊を対比させるとその違いに驚きました。
『むしとりにいこうよ!』夏の池
『ふゆのむしとり?!』冬の池

───公園に行って、樹名板をめくるところは、絵本を見たらすぐに実行したくなりますよね。今回もお兄ちゃんは虫のプロ。でも、1作目よりも弟に対して優しく、ちょっと大人っぽくなった気がしました。

───2人の着ている洋服もグッと可愛くなったように感じましたが…。
はた:服は結構、可愛い服を着せたいなっていつも思って描いています。お兄ちゃんのズボンは、今日取材でぼくがはいていたズボンなんですよ。ジャケットやベスト、帽子はうちの子の洋服を着せています。
───息子さんの洋服だなんて! オシャレですね! 絵を描くときに特に気をつけたポイントを教えてください。
奥山:木の枝ぶりや木肌の感じ、植物の葉っぱの形がとてもよく捉えられていて、あれだけ情報量のない描き方なのに、すごくリアルに見えるのが、さすがプロだなって思いました。
───人物もデフォルメされている中でも吐く息の白さとか、寒さが感じられてすごくリアルですよね。そして、前回もこだわっていると言っていた「見返し」、今回はとても幻想的な写真が使われています。この写真もはたさんが撮影されたんですか?
はた:はい。本当は子どもが映っている写真を使いたかったのですが、アングル的に難しくて…。ワタムシも加工しています。
───ワタムシ、今日本物を見ることができましたが、本当に雪の様できれいでした。お二人は『ふゆのむしとり?!』をどのように楽しんでもらいたいですか?

奥山:ぼくも今回、初めて絵本の共作という仕事をさせてもらって、色々新しい体験ができました。「冬は寒いから家にいよう」ではなく、「冬だからこそ、外に出よう!」をスローガンに、この絵本を読んで少しでも冬の虫とりに興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
───今回、取材をして、冬になって葉っぱが落ちたから、ミノムシやイラガのマユが見つかったんだということに気づきました。そういう見方ができるのが、冬の虫とりの魅力なんですよね。

●はたこうしろう&奥山英治コンビで次回作も構想中!
───おはなしを聞いていると、このシリーズははたさんにとってライフワークのようになっていると感じました。
はた:そうですね。奥山さんと一緒に仕事をしたいとずっと思っていたので、長く続けていきたい作品ですね。
───では、次回作の構想もあるのでしょうか…。
はた:次回作は「磯遊び」をテーマにしようと思っているんです。
───磯遊び! 楽しそうですね。どんなおはなしになるかワクワクします。

───お二人の構想はどんどん膨らんでいきそうですね。「むしとり」シリーズ第3弾も楽しみにしています。