●娘と五味太郎さんの絵本をよく読んでいました。
───作品を通して、お嬢さんとコミュニケーションを取っているおはなしを伺っていると、とても良いパパさんなんだろうな……と思うのですが?
さこむら:サイラスさんはとてもイクメンでいらして、お嬢さんとコミュニケーションを取る時間を作るために、毎朝4時に起きて、お仕事を始めていらっしゃるんですよ。
───それはすごいですね。

サイラス:午前中に仕事を終えるようにすると、娘が帰ってくる時間には一緒に遊ぶことができるんです。今は、小学校に上がっているので、絵本を読むことは少なくなりましたが、小さい頃はよく一緒に図書館に行って、読み聞かせ会に参加したりしましたよ。
───日本でのお仕事をされたり、一流のタイプデザイナーとして忙しく活動されている中でも、お子さんとの時間を大切にされているのはとてもステキですね。お子さんと絵本を読む中で特に好きだった作品を覚えていますか?
サイラス:娘が小さい頃は五味太郎さんの絵本が好きでよく読んでいました。
───え? アメリカの絵本ではなく、五味太郎さんの作品ですか?
サイラス:はい。『バスがきた』や「四季」シリーズは、今でも大好きな作品です。娘は今、7歳なのですが「ハリー・ポッター」シリーズや「長くつ下のピッピ」シリーズをよく読んでいます。あと、日本のアニメも大好きです。
───アメリカのご家庭で、日本の絵本やアニメが親しまれているなんて、嬉しいです。今回、『APPLE BEAR CAT』と『あり いぬ うさぎ』のおはなしを伺ってきましたが、すでに次回作の構想も考えているのですか?
さこむら:はい。今、サイラスさんと2人でいろいろ考えています。
サイラス:次も日本の子どもたちに楽しんでもらえるような、面白くてユニークな絵本を作りたいですね。
さこむら:あとは『あり いぬ うさぎ』で、あいうえおポスターやカルタも作りたいと思っています。

───このオシャレなイラストがカルタやポスターになるなんて、とても素敵ですね。これからのご活躍がさらに楽しみになりました。最後に、絵本ナビユーザーにメッセージをお願いいたします。
サイラス:『APPLE BEAR CAT』と『あり いぬ うさぎ』をぼくはとても楽しみながら描きました。ぼくが楽しんだのと同じくらい、皆さんもワクワクしながらページをめくってくれたら嬉しいです。
───ありがとうございました。
●編集後記

ノートの中には「東京」のデザインや、次の絵本の構想も…!?
お仕事の関係上、今までにも何度も日本に訪れているサイラスさん。いつも小さいスケッチブックを持ち歩いていて、時間のあるときに開いて、気になったものやアイデアなどを描きとめておくのだそう。特別にスケッチブックの中を見せていただきました。このスケッチブックから、次の絵本のアイデアが生まれているんですね!

インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子