絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  地球の最新大百科『キッズペディア 地球館 生命の星のひみつ』 編集者 秋窪俊郎さんインタビュー

編集者・秋窪さんオススメ@  特集「陸上の環境に合わせて変化していく体」


「陸上の環境に合わせて変化していく体」

日本の淡水魚や熱帯魚を20年ほど飼ってきましたが、人間との直接的なつながりを実感することは、なかなかありませんでした。でも陸上生物の足は魚のヒレが変化したという記事や、魚ののどの奥にあったえら呼吸を助ける袋が肺として働くようになったという記事に触れると、あらためて進化というものを実感しました。いま飼っているヒナハゼやメダカなどに対しても、畏敬の念を感じています。


秋窪さんが飼っているヒナハゼ(左)

編集者・秋窪さんオススメA  「空でも海でも、は虫類が栄えた」


「空でも海でも、は虫類が栄えた」

翼竜や首長竜が、恐竜だと思っている人は多いのでは? 骨盤の形状が違うので、じつは別の種類のは虫類なのです。それでも空や海を巨大なは虫類が支配していたと思うと、ゾクゾクしますね。アニメ映画『ドラえもん のび太の恐竜』に出てきたフタバサウルスなど、日本でおなじみの種類がいるのも親しみがわきます。

編集者・秋窪さんオススメB 「前線」には雲ができる


「前線」には雲ができる

家内によると、午後のワイドショーで気象の解説をていねいにやっているので、おじさんより主婦のほうが天気図にくわしいのでは…ということでした。中学校の教科書にも出ていて、習ったことはあったようですが、私の頭からはきれいに消えていました。「寒気」や「暖気」、「前線」などが理解できると、天気予報が10倍楽しめます!

編集者・秋窪さんオススメC  「ごみを出すのはもったいない」


「ごみを出すのはもったいない」

日本人は、ひとり1日平均1sのごみを出している!? 東京湾のうめ立て地も、もう限界!? 自分たちの暮らしを、あらためて考えてしまいます。少しですが、無駄がなかった江戸のリサイクル社会のことも紹介しています。

地球を知ることで、あらゆるジャンルの学問に解れられます。

───『キッズペディア 地球館』全体を見ると、「地球」を知るためには、歴史的な話から、地震や火山のしくみといった科学的な内容、そして環境問題まで、さまざまなジャンルの学問と連携していることが分かりました。

そうなんです。学問としてはそれぞれが独立したジャンルに分けられていますが、こうやって1冊の百科にまとめると、どれも密接に関連しているということが分かると思います。生物、地学、科学、環境……あらゆる科目を横断的に学べます。

───記事が、いろいろな箇所でリンクしているのも興味深いですね。

たとえば環境問題といえば、石油・石炭など化石燃料のことも話題になりますが、そのもとになった古代の動植物の姿や時代のことも、「過去」の記事から分かります。なぜ石炭紀の植物が石炭になったのか? 硬い成分を分解できる菌類が、当時まだいなかったからなんですね。また、地殻の下にあるプレートの動きは、地球のなりたち、3億年前の超大陸パンゲア、現在の地震や火山ともつながるといった具合に、1冊の中で記事が有機的に結びついていくのも魅力です。つまり「地球」という大きなキーワードで括ったおかげで、一面的ではなく大局的に理解できるようになり、現在の地球は過去からつながっていると同時に、未来へもつながっていることが、自然に理解できるようになるのです!

───編集を行う中で、特に大変だったことは何ですか?

その情報が学術的に正しいか、最新情報に更新されていないか、ギリギリまでチェックして掲載を検討するのは毎回神経を使います。それと、「キッズペディア」は小学校低学年の子どもたちが読んでも理解できるように文章を考えます。「地球館」は専門用語も多く出てくるので、高度な内容をいかに分かりやすく表現するか、気を配っています。

───写真やイラストを多用して、ビジュアルで理解できるように工夫しているのも、気をつけていることのひとつでしょうか。

はい。小学校に入る前の小さなお子さんでも、絵や写真を見て、興味を持ってくださる方は多いです。書いてある内容はもう少し大きくなってから分かるようになるとしても、絵や写真を楽しんでくれるように、「もっと分かりやすい写真はないか、もっとインパクトのある写真はないか」と常に気にしながら作業を進めました。

───今回、お話を伺って、これからの地球のことをもっと注目して見ていきたいと思いました。改めて、絵本ナビユーザーへメッセージをお願いします。

地球は「奇跡の惑星」と呼ばれることもありますが、本当に、さまざまな条件が奇跡的に重なって生命を育んでいます。あらためて我々が暮らしている地球のありがたさ、地球と一緒に生きていくことの意味を親子で学んでいただけると嬉しいです。

───地球上にかつて恐竜が存在し、絶滅したことを知っているお子さんは多いと思います。しかし、それ以前にも「エディアカラ生物群」のようなふしぎな姿の生き物が存在していたことや、生き物が絶滅した後に、新しい時代がはじまっていることを知らないお子さんは多いと思います。地球の歴史を、ひとつの流れとして知ることができる『キッズペディア 地球館』は、新たな発見などがあり、お子さんもとても刺激を受けると思いました。


「ふしぎな姿の生きものが現れる」

ありがとうございます。子どもだけでなく、大人も知らないことがたくさん載っていると思いますので、ぜひ、家族みんなで楽しんでいただければと思います。

───これからクリスマスシーズンになり、プレゼントを悩まれている親御さんも多いと思います。プレゼントにビジュアル百科を贈るのもオススメですね。今日は本当にありがとうございました。

今回、お話を伺った秋窪さんは、郷土玩具を中心に猫の人形を蒐集していて、とりわけ眠り猫のコレクションでは日本で五指に入るのではないかと、ひそかに自負しているそうです。そんな猫好きの秋窪さんが編集した『ねこのおもちゃ絵 国芳一門の猫絵図鑑』(著:長井裕子)は、子ども向けの浮世絵「おもちゃ絵」の中でも、特に人気が高く、現在でもファンの多い猫の絵を集めた一冊。150年前に書かれたとは思えない、かわいくて楽しい猫の絵が満載です。

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作品紹介

キッズペディア地球館 生命の星のひみつ
編:小学館
監:神奈川県立 生命の星・地球博物館
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