●『おやすみ、ロジャー』絵本&朗読CDブックの編集者:矢島さんにうかがいました。
───朗読CDを聴いてみると、まずゆ〜ったり読む女性の声に癒されて「眠くなりそう……」と思いました。
朗読してくださっている方は女性と男性。水樹奈々さんと中村悠一さんです。朗読のプロでいらっしゃいますが、快眠セラピストの三橋美穂さんに収録に立ち会っていただいて、ふだんとはちがう、特別な読み方をしていただいているんですよ。
───お二人とも声優として有名な方ですよね。ナレーターはどのように決めたのでしょう?
ママが寝かしつけをされるおうち、パパが寝かしつけをされるおうち、どちらもあると思うので、まずお子さんに声の好みがあるかもしれないと。なので女性と男性、お二人のナレーターをお願いしました。どちらを選んで聴いていただいてもいいようにと思いました。
───『おやすみ、ロジャー』の効果があるのは何歳からでしょうか?
最初は2、3歳くらいからと思っていたんですけど、最近はお誕生のプレゼントとして贈っていただく機会も増えているようです。
先日著者のカール=ヨハン・エリーンさんが来日されたので、対象年齢をあらためて伺ったんですけど、年齢の対象はないといえばない、聞かれると困るんだとおっしゃっていました。眠りのベースになることが盛り込まれているので、大人も眠くなるし、効く子には何歳からでも効くし、とおっしゃっていました。
───2歳以下のお子さんにも、効く子には効く?
言葉がわからない年齢には、出版社としてあえておすすめはしていないのですが……。読者ハガキやSNSを見ると、効果があるご家庭も多いようです。『おやすみ、ロジャー』に、お母さんがリラックスされる効果があって、お母さんがそうやってゆっくり隣で読んでいらっしゃることで、2歳以下のお子さんも眠くなるのかもしれませんね。
───CDになると、年齢の幅がさらに広まるような感じがします。
そうですね、小学生のお子さんでも楽しく聞けるようになりますし、お忙しい大人の方にも、不眠症に悩んでいる方にも、聞いていただければと思います。
───先ほど「特別な読み方」とおっしゃっていましたが、具体的にはどのようなことでしょうか?
最初はメリハリをつけて読んでいらっしゃったのですが、三橋美穂さんが監修されるとき、「すると」「そして」などの文の冒頭部分を強く読まないとか、大きく抑揚をつけすぎないことを言われました。
お二人はすぐわかってくださって、「いつもと逆に読めばいいんですね」とおっしゃって、いつもならばはっきり読むところを抑えて読んだり、でもそのなかでも「おねむのかたつむり」や「あくびおじさん」の声はちがうトーンで読むという難しいことをしてくださいました。
───声優としても実績のあるお二人ですから、声を聞くのも楽しみですね。
そうですね。お子さんはもちろんですが、親御さんにとっても一緒に聞いていて楽しめる方がいいなと思って、声をかけさせていただきました。水樹奈々さんにも中村悠一さんにもご快諾いただき大変嬉しかったです。
●朗読CDを、ゆりかちゃん(3歳9ヵ月)に体験してもらいました!
いつも元気いっぱいのゆりかちゃん。パジャマに着替えてもこのとおり。今夜はパパもおうちにいるし、まだ遊ぶ気マンマンです。だけど、そろそろお布団に行く時間……。
「『おやすみ、ロジャー』、きいてみようか」とママがCDをかけてくれました。パパがソファーで、ゆりかちゃんに絵本をひらいて見せてくれます。さあ、ゆりかちゃん、眠くなれるかな……?
【両親のコメント】
ママ:ふだん絵本で寝かしつけをしているときは、私自身は文字を追っているので娘の顔を見ることができませんが、CDを使うと眠りゆく娘の顔をずっと見ていることができて、こちらまで幸せな気持ちになれて、とてもよかったです。
パパ:さすが超一流の声優さんによるナレーションで、まるですぐ隣で、娘の呼吸や瞼の動きに合わせて直接語りかけられているようで驚きました。この抑揚は自分では絶対に真似できません(笑)。本当に助かりました。
朗読がはじまって数分であくびが出たゆりかちゃん。何度もあくびをするたびに、少しずつまぶたが重くなってきます。パパに髪をなでてもらって気持ちよさそう……。こんなふうに眠りにつけたら、お子さんも幸せですよね。
なかなか寝ない子どもたちを最後はいつも叱ってしまう……とお悩みのお母さん、お父さん。ぜひ試してみてくださいね。「おやすみ」の前のひとときが、安らかなものになりますように!
ゆりかちゃん、ご家族のみなさん、ありがとうございました☆
インタビュー・文: 大和田佳世(絵本ナビ ライター)
撮影: 所靖子