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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  『ガール・イン・レッド』の国際アンデルセン賞受賞画家ロベルト・インノチェンティさんインタビュー

オオカミに出会うのは森、これが定番です。

───ソフィアがおばあさんの家に向かう途中、お母さんに寄り道をしたらいけないといわれつつも入ってしまった<THE WOOD>というショッピングモールはどういう場所をイメージされたのですか?

作品中のイラストは全て架空の場所ですが、存在しうるものです。見開きで登場する巨大なショッピングモール<THE WOOD>は、みんなが行ったことのあるような広場、歴史的街並み、市場、教会など、過去に人々が集っていたさまざまな場所ととって変わっています。今や人々が集まるところは、単に物を買うだけの場所になり、コミュニケーションとか人間関係というものはないのです。だから、私は、この本の中のショッピングモールを、かつて「森」だったエリアに建てたのです。それが名前の由来です。


誘惑いっぱいのショッピングモール<THE WOOD>

<THE WOOD>の中は、広告看板であふれている。

───出口がわからなくなりながらも、ショッピングモールを出るとサングラスに黒いコートをきたあやしげな男に出会います。ソフィアは男の言葉に従いついていってしまいますが、これが赤ずきんちゃんがオオカミに出会う場面というわけですね。

オオカミに出会うのは森、これが定番です。この本のなかで私は、都会という‘森’を、少女とオオカミの出会いの場所として使いました。


ついにソフィアの前に男あらわる!

なんとかおばあさんの家に着いたものの、はたしておばあさんの運命は……。

───現実にありそうな、誘拐事件のはじまりのようで本当に怖いですね。

ここででてくるオオカミ、つまり男は冷血な高学歴の連続殺人犯(シリアルキラー)で、親切にしてもらった少女の感謝の気持ちにつけこみます。いっぽう昔ながらの物語のなかでは、オオカミの見た目をいぶかしく思う気持ちや、間違った人物を信用してしまったのではないかという恐れを揺り起こしてゆきます。こういう感情は古代から、つまり恐怖に満ちていた恐ろしい時代から続いてきているものです。私はこのような感情と物語の核心の部分をそのまま現代に、持ってきたかったのです。

───読者に選択を委ねるエンディングは衝撃的でした。


あなたはどちらの結末を選びますか?

もともと、「赤ずきん」は恐ろしく悲劇的な物語です。ですから、ディズニーはこの話を取り上げたことはありません。ハッピーエンドのストーリーの方を好みますからね。私は、ペローの悲劇的な結末と、グリムのより明るい結末があるように、ふたつの結末を用意しました。そして、最後の選択を、読者にたくしたのです。

───最後に今後の作品のアイデアなどはありますか?


原書‘The Girl in Red’を手に。

どれもまだはっきりしたことは言えませんが3つあります。けれど、私もどうやら永遠には生きられないようですから、どれを最初にするか決めたほうが良さそうですね!

───ありがとうございました。

貴重なサインをいただきました!

日本の読者のみなさまへ限定30枚ということで、インノチェンティさんの手がけた『ピノキオの冒険』のオリジナル・グリーティングカードにサインをしていただきました。封筒つきです。これは貴重です!


それならば、今回お会いする別の作家さんにもお願いしようということで……


オランダ・レムニスカート社のブースで『ツリーハウス』『アイランド』の作家、トルマンさん父娘にもサインをいただきました。こちらのサインは、なんと、『ツリーハウス』のページの絵がポストカードになっています。父娘お二人のサインが入っている限定スペシャルポストカードをご用意しました。

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ロベルト・インノチェンティ(ろべると・いんのちぇんてぃ)

  • 1940年、イタリア、フィレンツェ近くの小さな町に生まれる。第二次大戦後の苦しい生活の中、13歳で鉄工所で働く。18歳で勤めはじめたローマのアニメ・スタジオがきっかけとなって、画才が花開き、本の装丁、アニメ、劇場用ポスター等で活躍、イラストレーターとしての地位を確立する。『ピノキオの冒険』『シンデレラ』(西村書店)などの作品で、ニューヨーク・タイムズ紙などに、「稀有の画家」と評される。

作品紹介

ピノキオの冒険 <新装版>
原作:カルロ・コッローディ
絵:ロベルト・インノチェンティ
訳:金原 瑞人
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シンデレラ
作:シャルル・ペロー
絵:ロベルト・インノチェンティ
訳:谷本誠剛
出版社:西村書店
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絵:ロベルト・インノチェンティ
訳:長田 弘
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