●明け方の夢うつつのときが、作品を生み出すベストタイミングです。
───先程、『きょうふのおばけにんじん』の依頼を受けてから、2日で翻訳の第一稿を書き上げたとおっしゃっていましたが、翻訳の作業は、普段の創作と違いましたか?
ゼロからおはなしを作るのと、すでにあるおはなしを、日本語で面白く表現するのは厳密には違うけれど、作業をするのはそんなに変わらないかもしれないです。
ぼくは明け方に、おはなしや曲なんかを思い浮かぶことが多い。目が覚めて、まどろんでいるくらいの夢うつつ中。そんなときに、前の晩に考えていたおはなしのオチが浮かんだりすることがすごく多いね。
───では、夜までお仕事されて、最後まで仕上げずに、一回眠って、明け方のひらめきを待つこともありますか?
そうだね。前の日までに無理に終わらせないで布団に入るというのは、あるかもしれない。ただし、前の晩にしっかり考えておくことが大事。そして、夢うつつの中でそのことを思い出すことも重要なんだよ。そうしないと、アイディアが下りてくることはなかなかないよね、きっと。
───『きょうふのおばけにんじん』でも、明け方思い浮かんだ場面がありますか?
どれかは覚えていないけれど、あったと思うよ。にんじんたちの声なんかは明け方だったかもしれないね。
───『きょうふのおばけにんじん』は、2013年に発売されると、アメリカでその年に出版された本の中で、最も優れた子どもの本に与えられるコールデコット賞の次点であるオナーや、ニューヨーク・タイムズ ベストセラーなど数多くの賞を受賞します。
先程、新たに2作目が出版されたと伺いましたが、翻訳版も2作目の出版が控えているのですか?
どうでしょう。そのあたりはこの『きょうふのおばけにんじん』の日本での人気次第なんじゃないかな。
───2作目の表紙もとてもインパクトがあり、おはなしが気になるので、日本でも翻訳してほしいですね。
そうだね。あまりネタバレはできないけれど、2作目もラストに驚くべきどんでん返しが仕込まれています。それと、絵の中に1作目の後日談を示唆するようなイラストが描かれているんです。絵本を見て「あ!」って気づいてもらえたら嬉しいよね。
───そうなんですね。そのためには、まず1作目『きょうふのおばけにんじん』がたくさんの人々が手に取ってくれないとなんですね。それでは最後に、絵本ナビユーザーへ、この絵本のPRをお願いいたします。
あっと驚く結末! 大どんでん返し!! ジャスパーも気づかなかった、にんじんの大作戦。どうぞお楽しみください。
───映画の予告のようなメッセージをいただきました(笑)。ありがとうございます。
恐怖の表情。
取材・文/木村春子
撮影/所靖子
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