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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  大人も子どもも学べて楽しい! 絵本のような図鑑『寿命図鑑』『失敗図鑑』制作者インタビュー

失敗図鑑
失敗図鑑の試し読みができます!
絵:mugny
編集:いろは出版
出版社:いろは出版

大人も子どもも学べて楽しい絵本のような図鑑として、 大好評 5万部を突破中の『寿命図鑑』に、シリーズ第2弾が登場。 その名も『失敗図鑑』! ーーーーーーーーーーーーーーー ・ファッションデザイナーのココ・シャネルは、歌手の夢が叶わなかった。 ・野球の神様ベーブルースは、アメリカ最大の三振王でもあった。 ・最後の将軍、徳川慶喜は自転車でよく看板にぶつかっていた。 ・ニホンリスは、木の実を埋めた場所を忘れることがある。 ・シャンプーは、育毛剤の発明に失敗してできたものだった。 ーーーーーーーーーーーーーーー などなど、240人の偉人と、いきもの・発明品にまつわる失敗…計320個のさまざまな失敗エピソードをあつめた 一冊ができました。何かを成し遂げた人たちが経験してきた失敗を知ることで元気と勇気をもらえる、未来に活かせる図鑑です。 ●(目次) 1.発明家の失敗 2.芸術家の失敗 3.実業家の失敗 4.学者の失敗 5.武士の失敗 6.冒険家の失敗 7.政治家の失敗 8.スポーツマンの失敗 9.恋愛の失敗 10.子ども時代の失敗 11.おもしろ失敗 12.死んでしまった失敗 13.いきものの失敗 14.モノの失敗 (ふろくページもあります! )

「失敗してもいいよね」とみんなにエールをおくりたい気持ちを図鑑に

───『寿命図鑑』から『失敗図鑑』の出版までは、約1年半の間がありますが、『失敗図鑑』はどんなアイデアから生まれましたか?

河北:人間は失敗する生き物だということを、肯定する気持ちですね。世の中にたくさん出ている自己啓発本には、「失敗してもあきらめるな!」という風に、強いメンタルを求められるようなことが書いてあるんですが、失敗を活かしてすっと立ち上がることができる人は、少ないと思うんです。だから、図鑑でたくさんの失敗を見せることで、失敗を肯定しようというのが、コンセプトです。

本田:普通なら「成功」にスポットを当てると思うんですが、逆に「失敗」に注目するのが、河北らしさが出ているなと思いましたね。

河北:『失敗図鑑』は6〜7人のスタッフで制作したのですが、どんな失敗談を集めるかは、私と制作担当の2人で相談しながら決めていきました。偉人の成功話だけ聞くと、「やっぱりこの人はすごいんだ。自分とは違うな」と思うだけなんですが、失敗していることを知ったら、「同じ人間だもんな」と勇気づけられる気がして。あえて負の面にスポットを当てることで、ポジティブな気持ちになるのではと考えました。

───確かに、偉い人の失敗談を聞くと、なんとなくホッとしますね。

河北:そうなんです。とにかく、年代や性別を問わず、いろんな人に読んでもらえる本を作りたいというのが私のこだわりです。この図鑑を読んでくださった方みんなが、元気づけられたらいいなと思っています。

───そうなんですね。掲載する失敗談については、どんな風に選びましたか?

河北: 偉人はけっこう職業がはっきりしているので、自然と職業分けになりました。制作担当は、教科書に載っていそうな人にこだわって、紹介する人物を選んでくれました。みんなが知っていそうだけれども、この失敗エピソードは知らないだろうとか、バランスを考えながら作っていきましたね。

───「恋愛」や「おもしろ」、「死んでしまった」など、偉人に当てはまらないカテゴリーはどうしましたか?

河北:失敗するときって仕事だけじゃなくて、恋愛や子ども時代なんかもあるなと思って。人だけでなく、いきものや発明品にまつわる失敗もあったら、さらに読み応えがあっておもしろそうだと。『寿命図鑑』はカテゴリーのバリエーションがあったので、前回と同じぐらいそろえようと思ったら、14種類になりました。

───『失敗図鑑』の制作で、特にこだわったことはなんですか?

河北:『失敗図鑑』のイラストを描いていただいたmugnyさんは、「とりもち」というキャラクターで有名な、イラストレーターさんなんです。私は、大学生時代から「とりもち」のLINEスタンプを愛用していたので、「いつか一緒に仕事ができたらいいな」と思っていました。

そこで『失敗図鑑』の制作が始まるか始まらないかのタイミングで、mugnyさんにお会いする機会が持てたんです。実際にお話をしたら、とても気が合って「絶対に一緒に仕事をしたい!」と強く思いました。そこで、持って行った『寿命図鑑』をお見せして、「イラストの数が多くて大変ですけれども、もしこういうお仕事をお願いしたら、描いてくれますか?」と聞いたら、その場で「描きます」と承諾していただいたので、お願いすることに決まりました。

 mugnyさんの絵は、ポップでくすりと笑えるおもしろさが味です。そんなお茶目な絵を、あえてネガティブなワードの横に並べたら、「おもしろそうな本だな」と思ってもらえそうだと思いましたね。

本田:同じシリーズだからイラストレーターさんも同じにするのではなく、その時々のテーマに合った人を探してやっていくのがいいなと、僕も思いました。僕の立場は、本全体のビジュアルがよりよくなるように考えることなので、河北がイメージしている「失敗ワールド」を、どうすればおもしろく見せられるかというところだけに集中して、こだわりました。


失敗ワールドの世界観を考えた、河北さんのラフ画

河北:『失敗図鑑』の全体の世界観である「失敗ワールド」は、汗と涙が溜まって海になるというアイデアから、ビジュアルイメージを思いつきました。でも少し寂しい雰囲気になってしまって。そこで本田さんが、汗と涙が降ったところに、「虹」ができるというアイデアを出してくれました。誌面に虹のカラフルさが加わったので、本当にありがたかったです。

───虹のアイデアは、なにがきっかけで思いついたのですか?

本田:虹は空にかかるものなので、失敗しても上を向いて、前に進むというモチーフにぴったりだなと思いつきました。

───ほかにも、本田さんから出したアイデアはありますか?

本田:細かい遊び心の部分ですよね。ピンクの世界を作ろうとか、背景の涙模様の密度やサイズ感、見やすさなど、本としてのデザイン面でのアイデアです。あとは、カバーイラストのラフを描いたことですね。おもしろ図鑑企画の第2弾ということで、『寿命図鑑』と隣に並べたときに美しいか、絵の強弱のバランスなど、すごく意識して作りました。例えば、14種類あるカテゴリ扉のテンポを考えたり、みんなが知っている偉人を大きく出すなど、中面のテキストを全部読んでアイデアを出しました。

───それはすごいですね。デザインの枠を超えて、制作の深い部分にまで関わられているのですね。

河北:そうなんです。『失敗図鑑』の制作スタッフは、私や本田さんを含め、世界観や物語を考えることが好きな人が集まっているんです。図鑑なのに、なぜかストーリー性のある前書きや後書きがあるのも、自然とやっている感じです。その結果、今までにないおもしろい図鑑が生まれたと思います。

───本田さんは、テキストを読んでどうでしたか?

本田:おもしろかったです。知りたいと思っていてもなかなか知る機会がないおはなしが多くて、制作中にも学びがありましたね。河北の作るものは「人間くさい」ところがすごくいいと、個人的に思いました。

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作品紹介

寿命図鑑
絵:やまぐち かおり
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