●自由に考えて描く絵本づくりが楽しい!
───絵本を2冊描いてみて、絵本づくりのどんなところが楽しいと感じましたか?
絵本は、どんな世界にしようとか、どんな物を描こうとか、全部自分で考えて描くことができるので、自由があってすごく楽しいです。
───『ねたあとゆうえんち』は、「kodomoe」2018年8月号(白泉社)の付録冊子だったんですよね。その時、読者からはどんな反響がありましたか?
───本当ですね。よく見直していると、家からずっと寝っぱなしでした!
「寝たらもったいない! なぜなら…」という男の子の妄想のおはなしなので、「寝たくない、悔しい」という気持ちを込めています。最後のお菓子は、起きている子しかもらえなくて。
───本当に「寝たらもったいない!」という気分を存分に味わうことができますね。寝かしつけのときに読むと、子どもが本当にそう思っちゃいそうですね。
●ページのすみずみまでじっくり見て楽しんで
───絵を描くときには、どんな画材を使っているんですか?
線はミリペンで描いています。色塗りは、小学生と同じ水彩絵の具と、アクリル絵の具、そして色鉛筆です。
───色鉛筆も! どんな所に使っているんですか?
水彩で色を塗った後に、影をつけるときに使っています。布の柔らかい感じを出すときにも、色鉛筆を使います。
布団やベッドの影に、色鉛筆が大活躍!
アクリル絵の具は、子どもの部屋の絨毯など、面積が広くて同じ色でぴたっと塗りたい場所に使っています。僕が、筆のむらが出るのがあまり好きじゃなくて。あとは、全部マスキングテープを貼って、きっちり塗るのが好きなんですが、やりすぎると絵が重たく感じてしまうので、タッチが残る水彩絵の具も使っています。
───色のはみ出しがない理由は、マスキングテープだったんですね。
やっぱり、細かい部分をきっちり切るのが好きなんです(笑)。
───制作中、ずっと楽しかったとお話してもらいましたが、逆に苦労したところはありましたか?
うーん……ないですね。おはなしも、案を出したら「それがいいです!」とすんなり決まったので、その言葉を信じて迷いませんでした。だから本当に、楽しかったです。
───作り終わったときはどうでしたか?
だいたい4ヶ月くらい遊園地の世界にいたので、しばらくボーッとしちゃいました。がんばったので、奥さんも優しくしてくれて。実は、絵本にも奥さんと子どもが登場しているんですよ。
───そうなんですね! どこですか?
『しょうてんがいくん』(偕成社)は、絵本の裏表紙に。このときちょうど妊娠中だったので、お腹が大きいんです。『ねたあとゆうえんち』は、忍者屋敷の売店前で子どもを抱っこしています。子どもが牛乳を好きなので、牛乳パックが目印になっているんです。
さりげなく描かれた、大串さんのご家族の姿。次の作品ではどんな場面で登場するのか、探すのが楽しくなりそう♪
───ご家族の歴史も感じる、ステキな絵本ですね。お子さんは、できあがった絵本を見てどうでしたか?
小さな新幹線や、車輪がついたベッドを喜んで見ていました。あと、最近お尻も好きなので、「いいにおいおなら」も笑っていましたね。
───かわいい! そんな風に小さな子でも楽しめる絵本ですが、最後に絵本ナビの読者にメッセージをお願いします。
───ありがとうございました。
