なかよし ちびゴジラ なかよし ちびゴジラ なかよし ちびゴジラの試し読みができます!
作: さかざきちはる  出版社: 講談社 講談社の特集ページがあります!
ひとりぼっちのちびゴジラに、ともだちできた!

連載

かこさとしさん90歳おめでとう! 記念連載 かこさんを囲む人たちインタビュー

2016/08/18

【連載】第6回 復刊ドットコム 政田美加さんインタビュー

【連載】第6回 復刊ドットコム 政田美加さんインタビュー

今回お話を伺うのは、「かこさとし・むかしばなしの本」や『ならの大仏さま』などを出版している復刊ドットコムの政田美加さんです。実話をもとにした、ぞうの親子の感動物語『しろいやさしいぞうのはなし』の復刊秘話や、ご自身の中で特に思い入れの深い、かこさとし作品についてお話しいただきました。
●インドでの実話をもとにした、思い出深い作品が絵本に。
―― 復刊ドットコムさんでは、過去に他社で出版されていた本の中で、特に読者の方の復刊要望が高かったものを出版されていますね。 『しろいやさしいぞうのはなし』を復刊することになった経緯を教えてください。
かこ先生の卒寿記念に、何かお仕事をご一緒したいと作品を調べていたところ、全国心身障害児福祉財団から、『しろいやさしいぞうのはなし』という紙芝居が出ていることを知りました。この紙芝居は現在はジャンボ絵本として全国各地の保育幼児施設で読まれていますが、このジャンボ絵本を見た子どもたちから「ぜひ、家でも読みたい」という声が多数あがっていることを知り、手元における絵本というカタチにしたいと、先生に相談させていただきました。

―― 『しろいやさしいぞうのはなし』は過去に出版されていなかった作品なのですか?

その後、調査を進めていくうちに、この作品がかつて1985年に偕成社から『ぞうのむらのそんちょうさん』というタイトルで出版されていたことがわかりました。また、この作品は先生がインドでの実話をもとに書かれた、大変思い出深い作品であるということも知り、卒寿記念にふさわしい作品と思い、保存されていた貴重な原画をお借りして、タイトルも紙芝居に合わせて改題し、新装復刊させていただきました。
―― 30年の月日を経て、復刊に至った作品なのですね。この絵本のどんなところを、読者に楽しんでほしいですか?
この作品は、大きなポイントが2つあると思います。

1つ目は母の子に対する愛です。自らの生命を捨てても子を守り抜く、母親の絶対的な愛を描いており、これが実話であることから、動物の母性の強さを表すとともに現代の人間に対する問題提起になっていると思います。

2つ目は、主役である「しろちゃん」がハンデをかかえた象であることです。「しろちゃん」は心も体も弱い象ですが、彼を取り巻く仲間たちは、必死で彼を励まし、仲間として受け入れようとしています。そんなハンデを抱えた象が、他の象より優れた鼻がきくという能力で、誰よりも早く危険を察知し、仲間に知らせるのです。そして命が助かった後には、その鼻の利かせ方を仲間にも伝授して、誰もが危険を避けられるよう努めるのです。
そんな「しろちゃん」が、最後には象の村を率いる村長となるのですが、ハンデがあっても、自分に出来ることを極め、優しい気持ちでいれば可能性は広がるという励ましの物語であると思います。

――絵本を作っているとき、かこさんとのやり取りで、特に印象に残ったことはありますか?
先生に新たな「あとがき」をお願いしましたら、「どうぞ一般の方も子どもさんも、広くご愛読して頂けば、きっと白いぞうのお母さんも、満足してくれると思います。よろしく」というメッセージが届きました。
実話ということで、子象を守るために亡くなったお母さん象へ思いを馳せていらっしゃる先生の優しさが強く感じられました。
●子どもたちへの大きな愛情と、エールを感じます。
―― ご自身の中で一番思い入れの深い、かこさとしさんの作品を教えてください。

弊社から復刊させていただいた「かこさとし・むかしばなしの本」シリーズです。
先生が福井県越前市でかこさとし絵本館を開館なさった際の講演時、会場にいらしていた方が「また何としても読みたい」とあげてくださった作品で、その場で復刊することが決まった思い出深い作品です。このシリーズは、いずれも、悪いモノは必ず滅びるということ、また困難な状況に遭遇した際に主人公が自分の知恵と力で乗り越えていくといった作品です。黒を基調とした表紙に、その内容を思わせる雰囲気があると思います。
子どもも大人も生きるのが困難な時代に、「力強く乗り越えなさい」という、先生のエールが込められた作品たちだと思います。

―― 他社から出ているかこさんの絵本の中で、「実はこの本が好き…」という作品はありますか?
ポプラ社の『ねんねしたおばあちゃん』(1980年初版)が好きです。
幼い子どもと、おばあちゃんの愛情あふれる触れ合いと別れが、甘くならずに描かれています。「死」ということをテーマに、長く人生を生きてきた人の知恵が、新たに人生を歩んでいく人に引き継がれていくことの大切さ、また、いつか引き継いだ人は去っていかなければならない厳しさを描いた素晴らしい作品だと思うからです。
―― かこさんを一言で表すとしたら、どんな方だと思いますか?
かこ先生をひとことで言うなんて、おこがましいです。でも、未来を担う子どもたちに対する大きな愛情にあふれた方だと思っています。
先生は、作品の中で必ずといっていいほど、子どもたちに問題提起をしていらっしゃるように思います。それは誰よりも、問題を乗り越えられる子どもの「力」を信じていらっしゃるからではないでしょうか。
先生が講演等で「子どもさんが…」と、必ず「さん」付けでおっしゃる時の言葉の響きに、そのお心をいつも感じます。
―― かこさんへのメッセージをお願いします。
先生、お元気でいつまでもいつまでも長生きなさってください。私たちに生きていくうえでの大切なことを、もっともっと教えてください。
そして、世界最高齢のギネス絵本作家になってください。
―― ありがとうございました!


序章 かこさとしさんってどんなひと?
90歳にして、新作を次々と発表されているかこさとしさん。
かこさんってどんなひと? 知りたい方はこちら>>


タグ

『100円たんけん』<br>岡本よしろうさんインタビュー
全ページためしよみ
年齢別絵本セット