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【辞書編集者連載】新小学1・2・3年生のパパママ必見! 小学国語辞典の選び方、楽しみ方を教えます。ベネッセコーポレーション 小学館 学研 三省堂 2020/02/27 【連載】第3回『例解学習国語辞典 第十一版』 小学館 辞書チームのみなさん
小学生向けの国語辞典を作っているスペシャリストに、辞書の特長とおすすめポイントを聞く、辞書編集者連載。
第3回目は、1965(昭和40)年以来、55年の実績がある小学館の『例解学習国語辞典 第十一版』です。 同社で著名な『日本国語大辞典』の編集から、20年以上にわたり辞書編集に携わる松中健一さんと、『例解学習漢字辞典』を編集された中西彩子さんにお話を伺いました。
◆『例解学習国語辞典 第十一版』の特長とは……?
オールカラーだから学習意欲もアップ!
![]() ○楽しいオールカラー版で1,700語を追加。「あ」〜「ん」本文中の総項目数38,500語、総収録語数約46,400語 ○豊富なカラー写真・図表類。社会や理科の学習にも役立ちます ○ことばの使い分け、類語、関連知識の表で語彙力アップ ○各分野で活躍中の編集委員が加わり、便利なページが盛りだくさん 特典付録は『名探偵コナンの10才までに覚えたい難しいことば1000 特別版』(32ページ/原作・青山剛昌 /監修・戸谷述夫) ※例解学習国語辞典は愛され続けて55年。 【小学館辞書チームが考える 辞書選びのポイント】 ・文字や図版が見やすい、楽しそうな辞書を選ぼう。 ・2020年実施の新学習指導要領の目玉は「思考力」と「読解力」。わからない言葉を引くだけでなく、読む楽しさがあるかをチェックしよう。 ・「あったら便利!」「宿題・受験に役立ちそう!」なポイントを親子で見つけよう。
◆全教科活用OK!学習が楽しくなる「国語辞典」を作りたい。
―― 今回、2020年の学習指導要領改訂に合わせて、『例解学習国語辞典 第十一版』が出版されました。新しくなった辞書のポイントを教えていただけますか?
松中:2017年に刊行した第十版のオールカラー版は、豊富なカラー図版で見やすく使いやすい辞書になりましたが、今回さらに1700語ほど語彙を増やし、「あ」〜「ん」本文中の総項目数38,500語、総収録語数約46,400語。カラー写真やイラストも約500点増やしてこれまでの倍近くの点数の図版が入っています。 今回の改訂でまず注意したことは、2020年の春に実施される新しい学習指導要領への対応です。小学生のみなさんが国語や他の教科の学習をするときに役立つ辞典はどのようなものかを一所懸命考えました。 新学習指導要領で重点が置かれていることに「思考力」「読解力」ということがありますが、お子さんたちは、学年が進むにつれてさまざまな文学作品にふれたり新聞を読んだりして、多くの言葉を吸収していきます。その際、思考力や読解力のベースになる語彙力をしっかり身につけられるよう、今回の改訂では見出し語の見直しを行い、小学生に必要な語彙を精選して増補しました。
―― どのような言葉が増えたのでしょうか。
松中:例えば「さんか」という見出しは、旧版では「参加」「酸化」の2語だけでしたが、新版には「賛歌」「惨禍」「傘下」を加えました。 また、「耐寒」だけだった「たいかん」に「体感」「体幹」も加えました。このように1冊の辞典の中で言葉の広がりをお子さんたちに感じてもらえるようにすることは、大切だと思います。
――「賛歌」は音楽に、「傘下」は社会に出てきそうな言葉ですね。
松中:そうですね。全教科の教科書を調べて、社会や理科などで使われる言葉も収録するように心がけました。ただ、新語ということで言うと、たとえば「アーティスティックスイミング」や「ボッチャ」のような近年の新語も収録しましたが、増補項目の多くは、さきほどの「さんか」「たいかん」の例のように、一般向けの辞典には当然載っている言葉だけれども、小学生辞典にも必要なのではないか、という視点で検討して選んだものです。 もうひとつ、2020年から大きく変わるのは学年別漢字配当で、4年生で都道府県の漢字がすべて書けるよう指導されます。辞書には都道府県名に合わせ、各都道府県のイラストと県庁所在地を入れました。 また、動植物はなるべくカラー写真で実際にどのようなものかわかるようにしたり、「楽器」「漁法のいろいろ」「日本の世界遺産」といった楽しく読める図版入りコラムをたくさん入れて、ビジュアル面も工夫しました。「赤」「青」をはじめ「うぐいす色」や「オリーブ色」などのわかりにくい色、世界各国の国旗もカラーで示しています。 全部で1000点を超えるカラー写真とイラストが、言葉の理解を助けてくれます。 ![]() 「日本の世界遺産」
――たくさんの言葉やイラスト、写真が載ったことで、ページ数は増えましたか?
松中:80ページ増えました。しかし、前回のカラー化のときに、薄くて軽い紙を開発したので、80ページ増えても、ケース付きで940グラム前後。総ページ数1424ページにしては、軽く扱いやすい辞書だと思います。
◆これ1冊あれば、子どもがひとりで宿題ができる!
――見出しの漢字すべてに、学習する学年が緑色で小さく併記されていますね。親目線で見たとき、これは便利だなと思いました。
松中:お子さんが宿題をするときにこの表示を見ると、すでに習った漢字かどうかが一目で分かりますね。小学校の先生方もテストを作るときなどに利用されていると伺っています。 これは小学館の辞書の特長で、今回の改訂でも、すべての漢字に学年表示をしているのは当社だけです。 ![]() 見出しの漢字にどの学年で習う漢字なのか表記されています。
――親にとっては、子どもがすでに習った漢字か、まだ習っていないのかわからないことがよくあるんです。漢字学習以外でも、作文や生活科の宿題などいろいろなシチュエーションで困ることがあって……。
中西:私自身も含め、辞書編集部は子どもがいるメンバーばかりなので、親目線で便利だと思うことをたくさん辞書に盛り込んでいます。
漢字の学年表示については、学校によって複式学級(2つ以上の学年をひとまとめにした学級)運営をされていたり、先生の方針によって、習った漢字は必ず使わなければいけない、逆に習っていない漢字は、知っていても宿題に使ってはいけない、など、いろんな場合があります。
そういったお子さんそれぞれの細やかな問題にもこの1冊で対応ができますし、例文がたくさん入っているので、そのまま抜書きができます。親御さん、特に忙しく働くお母様にとっては、お子さんの宿題のフォロー面で助かることが大きいのではないでしょうか。 ![]() 『例解学習漢字辞典』の「もと」「おろす」の使い分け表
◆大事なのは、辞書が苦手にならないこと。
――辞書コーナーにはたくさんの小学生向けの国語辞典が並んでいますが、選ぶときのポイントを教えてください。
中西:語彙数や販売実績など選ぶポイントはいろいろありますが、やはり一番には、なるべく実物を手にとって、開いて見比べてみて、「これだったら使ってみたい」とお子さんが思うような、楽しそうな辞書を選ぶことだと思います。 大事なのは、勉強を嫌いにならないこと。辞書を苦手にならないことです。自分の子もそうでしたが、子どもが自ら喜んで勉強してくれるなんてことは、なかなかありません。 でも、楽しそうなページがたくさんあれば、手にとって辞書をめくってくれると思います。
―― 家庭での辞書の使い方でアドバイスはありますか?
中西:小学館の辞書は、買ったらなるべくすぐケースから出して、気になる方はビニルカバーもはずして、目につくところに置いてほしいとお伝えしています。6年間使っていただけるように、縫製もしっかりして開きやすく、丈夫に作ってありますから、普段からどんどん使っていただきたいと思います。
――辞書編集者としてのご苦労ややりがいがありましたら教えてください。
松中:辞書の編集は細かな作業が多く、また時間も長くかかりますが、でもお子さんの役に立つもの、楽しく使っていただけるものは何だろうと、アイディアを絞って、苦しみながらも、間に合うことはすべてやろうと、どの段階でも考えています。 今回、改訂作業がもう終盤に近づいた時期だったと思いますが、「季語」を解説するページがあったほうがいいんじゃないかということになりました。 国語の教科書には季語の例が少ししか載っていないんですね。それを使って俳句を作ってみましょうと言われても、実際、お子さんたちはなかなか作れないだろうと。それで急遽、編集委員の先生がたにご相談して、小学生でも扱えるような季語を集めた表を1ページ作りました。 ![]() 「四季おりおりの季語」
松中:また、小学生が百人一首に親しむことも多くなっていると思います。従来も、巻末に百人一首を掲載していましたが、今回は現代語訳を加えました。
![]() 「小倉百人一首」
――春夏秋冬や恋の歌が色分けされているんですね。現代語訳も総ルビなので1年生も読めますね。
松中:色分けは編集部のアイディアです。ほんとに小さな文字でしか訳を載せられなかったのですが、和歌の意味がわかることで、覚えやすくなったり、興味が広がればと思います。 中西:今回、辞書引き学習で著名な深谷圭助先生に加え、あらたに飯田朝子先生、石黒圭先生、桂聖先生が編集委員として関わってくださいました。桂先生は、筑波大学附属小学校の先生でいらっしゃるので、国語学習以外での辞書の使われ方など、現場の先生ならではの意見がとても参考になりました。 付録では「人の性格に関することば」を桂先生、「敬語の使い方」を石黒先生、「ものの数え方」を飯田先生が解説してくださっています。「人の性格に関することば」は、国語の問題を解くとき、中学受験、作文を書くときに役立つと思います。「こんなページ、あったら便利!」というアイディアを反映できるのが、辞書編集の醍醐味です。
――新しい辞書のおすすめポイントから、辞書編集の醍醐味まで、いろいろお話を伺いました。最後に、絵本ナビユーザーへメッセージをお願いします。
松中:4月から新しい教室で学ばれる小学生のみなさんに、国語学習だけでなく、あらゆる教科の学習にこの辞書を役立てていただきたいと思って作りました。ぜひ身近に置いて、使っていただけたらと思います。 中西:「楽しそう」と思えるようなしかけをたくさん入れましたので、ぜひ親子で手にとってみてください。新しい辞書で、お子さんの可能性を広げていってほしいと思います。 ――ありがとうございました! ![]() 小学館辞書チームのみなさん
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