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2016年 読書感想文・課題図書

絵本ナビ編集部

2016/07/26

『さかさ町』 【小学校中学年の部】 ※ちょっとためしよみ公開中!

『さかさ町』 【小学校中学年の部】 ※ちょっとためしよみ公開中!

小学校中学年の部の課題図書は4冊です。
課題図書(読書感想文)に選ばれる作品は、

・発達段階に応じて楽しめる
・深い感動や新しい認識を与えられる
・他者を尊ぶ気持ちが貫かれている
・児童生徒の興味関心をひく内容
・流行りに迎合的になりすぎていない
・ノンフィクションは事実に基づいている
など、安心して子どもたちが読書を楽しめるものになっています。

次にどんな本を読もうかな?読ませようかな?と悩んだ時、ぜひ課題図書(読書感想文)の中から選んでみてくださいね。

■ 小学校中学年の部 『さかさ町』

● 選定理由は…
純粋に物語の面白さが味わえる作品。いわゆる常識を疑ってみることで違ったことが見えてくるというテーマの深読みができると、よりいっそうイメージが広がっていく。

選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会

汽車に乗っておじいちゃんの家に向かう、リッキーとアンの兄妹。
ところが汽車は、突然の急ブレーキ。なんと、橋が壊れていたのです。
乗客は途中にある町に泊まり、橋が直るのを待つことに。
そうしてリッキーとアンが降り立ったのが…

「さかさ町」

さかさ町ではなにもかもがあべこべ!
子どもが働きお年寄りが遊び、建物は屋根を下にして建ち並び、もちろん文字も上下逆に書いてあります。
リッキーとアンはさかさ町にあるいろいろな場所を巡りますが、そのどれにも、ふつうとはぜんぜん違うあべこべな部分があるのです。

「いったい今度はなにがあべこべなのだろう?」とわくわくしながら読み進めていけば、「なるほどやっぱり!」と笑わせられることもあり、「ええ!そこが逆なの!?」と驚かされることもあり―
懐中電灯ならぬ「懐中消灯」や、後ろにハンドルがついている車など、奇想天外な「あべこべ道具」。
学校や病院における、さかさ町ならではの独特な仕組み。
それらを知ると、物語の中では描かれていないさかさ町の広がりが想像されて、とても楽しくなります。

しかし、ゆかいな町での冒険と並んで、この物語における大きなみどころのひとつは、大人の目から見たさかさ町の姿です。
さかさ町の経済や福祉医療、教育のあり方は、私たちの社会のそれとは大きく異なるものですが、しかしそこにはただの奇抜なファンタジーとして片づけることのできない説得力があるのです。

たとえばさかさ町では、ものを覚えるためにあるはずの学校で、「忘れるための技術」の授業があります。
「もし、わたしたちが、人からされたいやなことをわすれることができたら、世のなかの口げんかや争いがいかにすくなくなるか」
とは先生の言葉。そして彼はこう続けるのです。
「わすれるということは気づきだ」と。

子どもにはわくわくを、大人には気づきをくれるさかさ町。
さあ、リッキー、アンといっしょに、世にも奇妙な町を冒険してみませんか?

(堀井拓馬  小説家)

リッキーとアンは、汽車でおじいちゃんの家へむかっている途中、事故のため、知らない町で一泊することになりました。

町の名前は〈さかさ町〉。そう、そこではすべてが、ふつうや常識とはさかさまなのです。看板の文字も上下さかさま、建物もひっくりかえって建っています。お店にいけば、なんと値段分のお金つきで商品をくれます。はじめは驚いてばかりの兄妹も、病院、野球場、学校などをめぐるうちに、この町が好きになっていきます。

スロボドキンの飄々とした絵がぴったりの、たのしい物語。

おもしろいアイディアがたくさんつまっているだけでなく、はっとさせられる場面も。頭をやわらかくしてくれる1冊です。


絵本ナビ編集部

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