ちょっぴり内気な「ぼく」は、自転車が大好きな友だちの話にもっと入りたいけれど、いつも仲間はずれ。
でも、ぼくには「せかいのはて」と呼んでいる秘密の場所があるんだ。
そこに行くと、いやなことも全て忘れ、空想の世界にひたることができる。
「せかいのはて」の向こう側では、恐竜のいるジャングルもあれば、中世のお城がそびえていたり、未来都市が広がっているんだ。
でも、ある日、その向こう側へ本当に行ってみようと思い立ち、ぼくは、自転車でぐんぐんとこぎ出して…。
少年が自分の世界をおし広げる瞬間をみずみずしいタッチで描き出したのは、たなかやすひろさん。
この作品で第31回日産童話と絵本、グランプリ絵本大賞を受賞されました。
空想していた風景と現実の風景が絶妙に重なっているところが見どころです。
曇っていた「ぼく」の気持ちが、探検を通してさわやかに晴れていく展開、
そしてさりげないラストシーンも本当にすばらしい。
これは思春期にさしかかる子どもたちにもオススメしたいですね。
(長安さほ 編集者・ライター)
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