今夜はクリスマス・イブ。
「しまった、ねぼうした!」
あわてて飛び起きたのはサンタさん。あんまりあわてて、あれあれ、服が裏返し。そうしたら、サンタさんがなんと……うらがえしサンタになっちゃった!
この「うらがえしサンタ」、ソリには乗らない、えんとつからも入らない、プレゼント配りは適当な上に口が悪い!? とんでもないのです。こんなに怒ってて、エラそうなサンタがきたら、さぞかし子どもたちも悲しんでいるだろうと思いきや。
「うわあ、サンタさんだ」
なぜだか、子どもたちからは大人気。クリスマスパーティーにまでお呼ばれしちゃって。サンタさんと言えば、いつもニコニコ、誰にでも優しいイメージなんじゃあないの? 不思議なこともあるものです。でも意外と本音をもらす大人には、かえって親しみがわくものなのかもしれませんよね。
思いもつかない設定で、いつも驚かせてくれる苅田澄子さんの文章に、期待以上の表情で笑わせてくれる高畠那生さんの絵の組み合わせ。世にも珍しい変わりものサンタが巻き起こす、ゆかいで痛快なお話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
寝坊したサンタがあわてて服をうらがえしに着ると……黒い服を着た“うらがえしサンタ”になっちゃった! 寒いのがきらいで、プレゼントはてきとう。口が悪くて、なんだかエラそうなうらがえしサンタ。ですが、なぜか子どもたちは人気があるようで――。いつもニコニコ、誰にでも優しいサンタクロースのイメージとは真逆のその姿から、サンタの本音が見えてくる? やりたい放題なうらがえしサンタにハラハラしながら、最後は心が温かくなるクリスマスシーズンの読み聞かせにぴったりな絵本です。
サンタさんはプレゼントをくれるいい人と思いがちですが、慌てたサンタさんが服を裏返しに着てしまった結果、ダークサンタが誕生してしまいます。
発想がおもしろく、テンポ良くお話が進むので、最後まで楽しく読むことができました。
本を読み聞かせたあと、息子に「サンタさんは飛行機でくるやろか?」と聞いてみると、「トナカイに乗ってきてくれないと、おもちゃもらえへん」と心配していました。 (ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子4歳)
|