表紙を見ると、宮西さんの新作だと思ったら、珍しく絵だけだったので意外な感じがしたのですが、木村裕一さん作だったので、納得してしまいました。
文を木村裕一、絵を宮西達也、出版が童心社という最強の布陣で臨んだといえる作品でしょう。
物語は、おおかみグーがイタチに拾われて育てられるというところから始まります。
イタチが育ての母という設定。
グーは、大ききくなるにつれて、イタチが母であることを恥ずかしく思い始めます。
でも、イタチはどんなにグーに冷たくされても、影からじっとグーを見守っているのです。
無償の愛というべきものなのでしょう。
そして、グーの最大の危機を救ったのはイタチでした。
それも命を投げだして。
どんな家庭でも、程度の差こそあれ、子が親の存在を恥ずかしいと思う時期があると思いますが、その時親としてどう対応できるかを問われた気がしました。
心の琴線に触れた久しぶりの一冊です。
もしかすると世のおかあさんは、涙腺が緩んでしまって、この絵本の読み聞かせが出来ないかも知れませんね。
あまりに出来すぎているので、それが欠点と言いたい位の絵本です。