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鳥よめ」 12歳〜のお子さんに読んだ みんなの声

鳥よめ 作:あまん きみこ
絵:山内 ふじ江
出版社:ポプラ社
税込価格:\1,430
発行日:2014年12月
ISBN:9784591141885
評価スコア 4.67
評価ランキング 2,601
みんなの声 総数 5
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12歳〜のお子さんに読んだ みんなの声から

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  • 兵隊になるということ

    美しい表紙が印象的ですが
    戦争のお話に分類されると思います。

    若者(男性)は、徴兵検査を受けて、みな兵隊になり、戦争に行く時代に
    子供の頃のけがが原因で足が不自由になり、兵隊になれなかった若者が主人公です。
    「兵隊になれなかった」ということが、世間への負い目となり
    苦労が多い灯台守の仕事を選ぶことになったといういきさつが
    とても時代を映していると思いました。
    そんな灯台守のところに、助けたかもめが、女人になってお嫁に来ます。
    かもめの嫁は、
    一日に一回かもめの姿になり、翼を広げて空を飛ばなければ死んでしまうという身の上で、
    なおかつ、その姿を見てしまうと、視線が刃になり
    かもめを傷つけてしまうということ。

    戦争が迫る中、灯台にも兵隊がつめるようになり
    なかなかかもめに戻れなくなった嫁・・。
    そして、なんとかかもめに戻る時間を作る灯台守に
    「鳥を飛ばして、敵に連絡している」というスパイ容疑までかけられてしまいます。

    もう・・・灯台守夫婦に感情移入してしまって
    兵隊に腹が立ってしかたない展開でしたが
    翻って、そんな時代だったのだ・・とも感じました。
    物悲しい結末は
    何気ない日常さえも奪われる戦争に対しての、静かな抗議のようにも思いました。


    投稿日:2017/08/29

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