この表紙を見た時、自分がとても小さいときに見ていたのを思い出しました。中のページも思い出し、この世界を感じた子ども時代がぼんやりと思い起こされてきて、それこそ古いアルバムを発見したような気持ちでした。
自分の家にあったのか、保育所にあったのかさえ覚えていないのですが、物語の恐さ、不思議さ、美しさ、あこがれ、そういったものはハッキリとよみがえるものなんですね。
息子たちは、ふだん寝る前に読むものとは趣の違うこのお話に、じっと聞き入っていました。派手さもなく、子どもの反応が静かでも、こういう良質な趣をもつ絵本は、きっと心のどこかに残り続けると思います。