面白いことに、この絵本は2つの話が1つになったような内容でした。
前半は、優しいおばあさんが亀を助けて、竜宮城に招待され、お土産にもらった魔法の玉から、欲しいものがザクザク出てきて、おかげで大変お金持ちになり幸せに暮らすことができました。という話。
亀を助けて竜宮城へ、というのは、日本の「浦島太郎」そのものですよね?(主人公はおばあちゃんだけど)
そして、お土産に不思議な宝物をもらってくるんです。「宝物の中らかどれか1つを選んでいい」という条件から、1つもらってくるところは、「すずめのお宿」を彷彿させます。
後半。昔話にありがちですが、必ず親切で正直者が幸せになるとやっかむ意地の悪い知人が近所に住んでいるもので、この絵本でも、意地悪ばあさんにまんまと宝をとられてしまって、おばあさんは窮地に追い込まれます。
そこに登場するのが、(真の主人公!題名にもある「いぬとねこ」なのです。)
前半部分が前振りなら、なんて長い前振りなんでしょう!?
おばあさんに飼われているこの「いぬとねこ」が、おばあさんの幸せのために奮闘することが、後半のメインとなります。
結末として、「どうして猫は座敷に上がることができるのに、犬は外で飼われているか」(今は犬も家の中で飼う人が多いですが、昔は犬は外で飼うのが当たり前でしたよね?)
、その理由がわかるのです。
ところで、この絵本の後書きを読みますと、韓国の方々は犬よりも猫の方をかわいがる国民性だそうです。
だから、こういうお話が残っているんですね〜。
普通に考えたら物語としては詰め込みすぎなのでしょうけど、個人的にはいろいろ想像できて楽しかったです。