一つの川を隔てて、女の子と男の子がそれぞれ住んでいます。
女の子は家族や周囲の人たちから
「あっちの人たちは、わたしたちとちがっているんだよ。」
と日々聞かされて育ちました。
そんなある日、むこう岸で男の子が手をふってきました。
あくる日、岸辺には手漕ぎボートが届いていました。
女の子が大きな一歩を踏み出したその先には
焼きたてパンのいい香りが…
むこう岸には女の子と変わらない生活がありました。
外観は違っていても、とってもよく似ている二人。
「私たちの夢は大人になったらこの川に橋を架けること。」
橋は人びとを運び、心の橋もかけてくれると願いたいです。
色使いがとっても鮮やかな絵本です。
沖縄のさんご礁の海の色を連想しました。
川がサンドアートのように魅力的に描かれています。
一見地味な絵本かもしれませんが
しみじみと考えさせられるお話です。