キッコちゃんが起きた時、雪はやんでいました。
おとうさんは、森のおばあちゃんの家の雪かきをするために出かけていました。ところが、届けることになっていたケーキを、忘れていたのです。そこで、キッコちゃんは、ケーキを持って、おとうさんを追いかけることになりました。
森の中、ひとりで歩くのは少し怖いけど、思いきって出かけたら、なんだか素敵なことに出会えそうな予感。そんなワクワク感を感じさせてくれる魅力的な世界にひき込まれてしまいました。モノクロの描写の中に、赤、黄のほんの少しのワンポイントが、ほっこりとした温かさを感じさせてくれました。そして、優しい動物たちの大きな心が、雪の世界のなかで描かれていて、読み終わった時、なんともいえない、温かさに包まれることでしょう。