初版が1978年3月、「かがくのとも」での作品というのが興味深いですね。
男の子のいろんな場面での気持ちが絵だけで語られます。
おもちゃを分捕った時、予防注射の痛さ、両親の夫婦喧嘩を目撃した時、などなど。
後半に添えられた「自分の気持ちと人の気持ちは違う。人がどんな気持ちか考えてみよう。」
と、一見説教のような文章が、ストン、と胸に響くような気がします。
福音館書店の編集者松居直さんが、「良い絵本は、絵が語る」とおっしゃっていましたが、
まさにこの作品はそのような気がしました。
ラストの男の子の仮面、当時流行の戦隊物のヒーロー!
時代を感じ、一気にタイムスリップした読後感でした。
でも、今の子たちにも十分伝わると思います。