お話を書いたのは指田和さんという方で、元出版社の編集を経験したあと、フリーで子どもたちに関係のある本を出筆しているようです。
この作品は『けんかのきもち』など柴田愛子先生の保育園のシリーズをいくつか手掛けていらっしゃる伊藤秀雄さんがイラストを描いています。
もちろんこれは伊藤さんの絵柄の特徴ではあるのですが、
登場人物たちが骨太な肉厚な線で描かれているので、
この絵から大地震と津波という二重の被害に、
途方にくれながらも前向きに生きていこうとする東北の人々の力強さを感じずにはいられませんでした。
高台に登っても登っても波が近くまで押し寄せてくる恐怖は、きっと経験した人でないと、本当のところは分からないとは思いますが、
でもこの絵本からも「もっと上へ逃げなくっちゃ!」という、恐怖や不安はしっかり伝わってきました。
特に真ん中の見開きのページはすごかったです。
小学校の高学年くらいのお子さんたちに、テーマを決めたブックトークで紹介できるといいな〜と、思いました。