かそけき糸
かそけき希望
の本
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長い坂の上にある私の部屋は空に浮かんでいるようなので雨が降ると雨に近くなります。
ある晩夢をみました。洗濯物がはためく昼下がりラジオから流れるちょっとかすれた歌声を私は聞いていました。
それから それから
というフレーズが重なるにつれ、海に空に地に水に身を沁み込ませていく女の人の歌でした。それは昔の流行歌のようでもあり見知らぬ国の伝承歌のようでもありました。
―― 高山なおみ (オビより)
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迫力を持ちながらのびやかに広がる絵と
音となって胸のうちに響く言葉。
日常と災禍を行き来しながら紡がれるものがたりが、
かすかな、だけど確かにそこにある一筋の光を感じさせてくれる絵本。
―― 世界がゆらぐような日々の中でも、いつもの「日常」はここに。
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