
幕末動乱の時代に、武蔵国橘樹郡下菅田村に知行地をもつ幕臣の酒依氏は、御書院番士として、飯田橋に移居し、江戸城の警備にあたっていた。 天保の頃までは、世情が騒然とするも、年中行事も執り行われていた。 しかし、ペリー艦隊の来航・上陸や長州藩との戦闘が始まると次第に追い詰められ、知行地の鈴木家に身を寄せるようになり、そして帰農することとなった。 家のものは、遊郭で働きもしたり、困窮を極めた。 本書は、幕末幕臣の史料が少ない中で、偶然にも鈴木家に残された史料をもとに、当時の幕臣の暮らしを興味深く描いたものである。
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