楽しそうにかけまわる氷の星たちのなか、
友だちとも遊ばずに、憧れの太陽を見つめる小さな星のピコ。
「ほっとけよ。そいつは変わりものなのさ」
そんなピコを、母さんはやさしく見守っていました。
「ぼくはあそこまで行ってみたいなあ」
「おまえがいちばんやりたいことをしたらいいよ」
母さんに氷のマントを着せてもらい、ピコはみんなの輪から飛び出しました。
ピコは、彗星になったのです。
「自分の道をゆくのだ。勇気をもって!」
星の数ほどの生命が輝く地球で、夢をいだく小さなひとりひとりに、この本を捧げます。
―――サカキヤヨイ
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