フランスの地理学者エリゼ・ルクリュ(Reclus, Elisee1830-1905)が調査旅行や文献を駆使して書き上げた『新世界地理―地球と人間』(Nouvelle geographie universelle: la terre et les hommes)全19巻を邦訳。本書は1893年刊行の原著第18巻。
19世紀後半、アンデス山脈の北?西側の南米諸国(アンティル諸島、ガラパゴス諸島、イースター島などの島嶼部を含む)の、民族、風土、地誌。
現在も色濃くのこるスペイン文化やキリスト教(カソリック)布教の影響など、近代化前後の南米アンデス地域の姿と人々の暮らしを描く。
ヨーロッパからの「発見」の歴史、銅やピッチ(アスファルトの原料)、グアノ(肥料)などの鉱物資源、珍しい観葉植物やキニーネ(薬の原料)などの植物資源を求めた入植、困難をきわめた高地開拓、先住民との対立と交流などを詳述。
スペイン以外の欧州諸国の影響が強いアンティル諸島、エクアドル・ペルー・ボリビア・チリの国境をめぐる対立の記述などは、現代の国家間紛争の理解にも。
当時の風景や街並み、暮らしを描いた木版画の挿絵66点、地図162点を掲載。