ちょっぴり弱くなった気持ちを、なぜか元気にしてくれる。
へんてこだけどいとおしい、ふしぎな生き物たちとの出会いとわかれの物語。
カゲを食べる忍者カゲキリ、こうもりがさに変身するおしゃべりなコウモリ、魔法をあやつるモグラ、冒険をともにするヒラマキミズマイマイの親子、かしこいウオの目。
勇希が出会う生き物たちは、いつもふしぎ≠ニユーモア≠ェいっぱい! 目ざめるか、勇希の勇気――?
* * * *
勇希は、ぞーっとした。ちかごろ強くなった、といってもムシはだめ。ムシには、まだ弱い。
「ムシはムシでも、ただのムシではないぞ、おれは」
ムシは、いばっていった。
「カゲキリムシ。またの名を忍者カゲキリ≠ニ、いう」
「忍者カゲキリ?」
「そうだ。忍者のようにあらわれて、カゲを切る。カゲを切っては、むしゃむしゃ食べる」
勇希のせなかは、ぞくぞくしてくる。
「ぼくのカゲも切るつもり? 食べるつもり?」
「もちろん、そのつもり。このごろ強くなったって、さっき、いってただろうが」
「う、うーん」
(「1 カゲキリムシ」より)
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