
野原の大きな桜の木がつぼみをふくらませて待っていると、「はるこさん」がやってきます。
「はるのこ はるこさんは わすれものの めいじんです」
やがて桜の木が緑の葉っぱを茂らせると、やってくるのはとっても早起きの「なつおくん」。葉っぱを色づかせる頃には静けさが好きな「あきえさん」。さらに冬芽をだいて待っているのは……。
桜の木が季節の変わり目を告げると、それぞれの季節を象徴する子が姿をあらわし、豊かな自然の中でめいっぱい季節を感じてほしいとばかりに詩の言葉で子どもたちを誘うこの絵本。
作者の杉本深由起さんは、本作を「シネポエム」という、昔フランスで生まれた詩の形式で制作。映画のシナリオのように、次々に移り変わっていく景色と言葉の世界に呼応しているのは、画家吉田尚令さんによる「ちぎり絵」。色鮮やかに描かれる自然や動物、そして素朴で愛らしく描写される子どもたちを眺めながら、言葉を自分のペースでしっかり味わう。そうしているうちに、四季の美しさや喜び、声や空気感までが浮かびあがってくるようです。
あなたはどの季節が好きですか?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

桜の木が季節の変わり目を告げると、それぞれの季節を象徴する子が姿をあらわし、豊かな自然を楽しもうと子どもたちをさそう。春は花の中を行進し、夏は青い空の下で海や川に遊び、秋は草木の声を聞き、冬は冷たい自然にふれる。そして、きせつの子たちは、手をつないでおどり、季節がめぐることを教えてくれる…。四季の美しさと喜びを、映像的な形式をとった詩と、素朴で温かみのあるちぎり絵でえがいた絵本。
|