『こどもGXかんきょうえほんシリーズ』第一巻となる『ちきゅうのあお』は、子どもたちが“地球の声”に耳を傾け、未来を想う心を育む絵本です。
主人公はうみちゃんとりくくん、そしていつもそばにいる犬のそら。風が吹く音、花の香り、光のきらめき…。彼らの目を通して描かれるのは、私たちが当たり前のように過ごしている“しぜんとともにある毎日”の美しさです。ところが、ページをめくるたびに、少しずつ地球の変化が見えてきます。車の排気ガスでよごれる川、プラスチックごみで苦しむ海のいきもの、止まない雨や、あつすぎる日々。うみの向こうでこまっているしろくまや、やまかじでにげるどうぶつたち??それは、いま世界で起きている地球の悲鳴でもあります。
「どうしてかみなりさまはおこっているの?」
「ちきゅうをげんきにするにはどうしたらいいの?」
そんな問いかけを通して、読者である子どもたちは、自分にもできることを考えはじめます。身近な小さな気づきが、やがて大きな変化につながる、未来をつくっていく??その第一歩をやさしく導いてくれるのが、この絵本です。
文を手がけたのは、絵本作家の由美村嬉々さん。やわらかな言葉とくり返しのリズムが、子どもたちの心に自然と染み込みます。絵を担当したMAKOオケスタジオによるアートな絵は、iPadで描かれたデジタル絵画であるにもかかわらずやさしい光と色で、地球の青や森の緑、動物たちの息づかいを鮮やかに表現。ページをめくるたびに、自然の美しさと命のつながりを感じられます。
また、監修には白梅学園大学の田文子先生と林薫先生を迎え、保育・教育の視点からも安心して読み聞かせに使える内容に仕上がっています。巻末の「あとがき」では、ユーリ・ガガーリンの名言「地球は青かった」に触れ、いま改めて「地球の青」を守る大切さを訴えます。
“GX(グリーントランスフォーメーション)”とは、環境を守りながら暮らしを見直していく新しい挑戦のこと。『こどもGXシリーズ』は、その考え方を子どもたちにもわかりやすく伝える、新時代の環境絵本シリーズです。
第一巻『ちきゅうのあお』は、地球の美しさと危うさをやさしく語りかけながら、「ぼくたちにも、なにかできるかな?」と子ども自身が自分に問いかけるきっかけをつくります。
東京大学未来ビジョン研究センター教授であり気候学者の江守正多先生からは、『住みよい地球を未来へつなぐ、大人と子どもで語る一歩に』というおすすめの言葉を本書にお寄せいただきました。帯に掲載しています。
読むたびに、感じ方が変わる。大人も子どもも、一緒に地球を想う時間を過ごせる??そんな温かな1冊です。
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