ねこさんが歩いていると、ヒュルルルーンと大きなドーナツが落ちてきた! 拾ったドーナツを運んでいくと、山の上にはドーナツ駅があり、ねこさんは車掌さんに渡します。すると、こんなことを言うのです。
「ドーナツが おちないように うしろに のって もらえませんか?」
お礼にドーナツがもらえるというので、ねこさんは貨物列車に乗り込みます。ガタゴト、ガタゴト、小麦畑を通って次の駅へ。そこではおせんべいをつみこみます。さらに次の駅ではケーキです。丸いドーナツ5つ、四角いおせんべい4つ、三角のケーキ3つを乗せた機関車が、坂道を登っていきますが……。
横長の画面を、丸、四角、三角のおやつがひたすらガタゴト運ばれていくこのお話。大きな出来事が起こっているような、起こっていないような。それでも、美味しそうなおやつは見ているだけでも幸せな気持ちになるものです。最後にあれれ? でも大丈夫。ちゃーんと楽しい時間が待っています。
描かれているのは、のんびり穏やかな空気感。困っていても、喜んでいても、どこかユーモラスな登場人物たちに、淡々とリズムを刻む愛らしい言葉の数々。画家・イラストレーターとして活躍されている久保田寛子さんが手がける初めての絵本は、クセになる魅力満載の一冊。ちょっと休憩したい時は、機関車でガタゴト一息ついてからおやつを食べるのも楽しそうなのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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