
黄昏れ時、いつも通る道。見慣れた風景に立ち止まり、ふと感じることはありませんか。 目の前にある場面は、かつてどこかで見たことのあるような……遠い記憶が呼び起こされる感覚。 夕暮れに街灯や家々の明かりが灯りはじめた頃。こころちゃんがいつものように石段街を散歩をしていると、ひとりの小さな女の子に出会います。「ひめみこ」と名乗るその子も、石段街を歩くのが好き。2人が手を繋ぎ歩きはじめると、ひめみこは言いました。 「あなたが思いにふけっている、その世界におさそいすることができるのよ」 翌日はこころちゃんが心待ちにしていた祇園祭。おみこし見物に行った神社には、ひめみこがいて……。 夕陽に沈む街並、布団のなかで包まれたホタルの光、出店で買ったおいしいたこ焼き、そして森の中で見たひめみことおみこし。 どこまでが夢か現か、幻なのか。それはこころちゃん自身もわかりませんが、体の奥にある“そこにいた”という感覚だけは、不思議と確かなもの。そして今、自分がここにいるということも。 通りゃんせ、通りゃんせーー こころちゃんとひめみこの歌声の余韻が耳に響いてくるような、ノスタルジックで幻想的なおはなしです。
(竹原雅子 絵本ナビライター)

(あれっ? ……この風景、この感じ……)わたしは、前にも同じことがあった、そんな感覚になりました。すると、少し前を小さな女の子が歩いているのが見えました。女の子の名前は「姫巫女(ひめみこ)」。わたしは姫巫女さんに手をひかれると……。『通りゃんせ』の歌が、不思議な世界へと誘ってくれるすてきなファンタジー。美しく幻想的で、ノスタルジックな絵本。
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