
スポーツが大好きなまさくん。みんなとソフトボールやバレーボールをして過ごす日々も束の間、病気で急に入院をしなくてはならなくなりました。ぼくはもう治らないんだ、みんなの元に戻れない……ベッドの中で涙がこぼれ落ちたとき、ある声が聞こえてきます。 「君の人生は君のものだよ。楽しいことも、大変なこともあるけれど、君が選んだ通りの道を進んでいいんだよ」 治療が見つからないほど難しい病気。お父さんやお母さんも心配し動揺するなか、まさくんは手術をする決心をします。その前日、夢を見たのです。大海原を空高く飛んでいる夢。まさくんが乗っているのは、大きなマンタの背中ーー。 作者は幼い頃、自身も大きな病気を経験したことがあるのだそう。作品には、同じ境遇の人に寄り添いたいという思いが込められています。まさくんのことばは、今、闘っている子どもたちに真っ直ぐ届き、やさしく強くその背中を押してくれることでしょう。 立ち止まったり、行き詰まっている子どもたちがひとりでも多く、マンタに乗って空を飛べますようにと願います。
(竹原雅子 絵本ナビライター)

難病にかかり、不安と恐れに心が押しつぶされそうな少年に生きる力と進む勇気をあたえたのは、夢の中に現れたマンタだった! 人生の壁に直面した少年の、決意までの道程をファンタジックに描いた物語。病気と向き合うことの現実や、家族の葛藤と絆を描きながら、「自分の人生は自分で選ぶ」というメッセージも込められています。美しくやさしく、多くの人に力をあたえる絵本です。
|