
葉っぱが何もなくなった、はだかの冬の木の下に、女の子がいます。 冷たい雨の中も、寒い風のときも、コートを着てフードをかぶり、そっと木によりそって……。
「冬のあとにはきっと来る 春はここにきっと来る」
煙るような紺色で描かれた空と、丘の上の木。 木は、今はかたく乾いているけれど、中には小さな芽があって、 春にそなえてやわらかく光を発するように、芽吹きの準備をしています。 それは…… 「ずっと前から かみさまが 準備している 春のいのち」
丘の雪は少しずつ溶けて、黄色い小さな花が顔を出します。 目には見えないけれど、季節の底にずっと流れつづけているいのちや、そのあたたかさを感じたくなります。 ちょっと疲れたとき、静かな気分で春を待ちたいときに、本を開いてみるといいかもしれません。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

冬の寒さに耐える木々は、神さまが用意した小さな芽を備えて春を待っている。冷たい雨を吸い、風にじっと耐えながら、見えないところで命が流れつづける。冬のあとにはきっと来る。春はここにきっと来る。そう願いながら。やがて冬のあとには春が訪れ、芽はふくらみ、光の中でいのちが動き出す――希望と季節のめぐりを描く詩的でやわらかな歌から生まれた絵本。
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