
冬の山にぽつんとたたずむ、雪だるまくん。 吹き荒ぶ雪のなか、遊びに来る子は一人もいません。 やがて、おひさまが顔を出すと、雪だるまくんの姿はだんだん変わっていきます。 「ぼく ここにいるよ。 ともだちになってよ。」 そばに来たうさぎさんに声をかけても届くことなく、うさぎさんは溶けた雪だるまくんの鼻のにんじんを拾ってどこかに行ってしまいました。 やがて雪溶けとともに草花が芽吹く春、陽が照りつける夏へと季節は巡り、雪だるまくんは……。
雪が積もるとうれしくて、必ずと言っていいほど雪だるまをつくってしまいますよね。丸くかわいいそのシルエットが、徐々に小さくなり、やがてすっかり姿を消して……やってくる別れも付きものですが、もしかしたら雪だるまのほうも、同じようなさみしさを感じているのかもしれません。でもこのおはなしでは、雪だるまくんのそばに、生きものや草花がいつも寄り添っています。四季の移ろいのなか、始まりと終わりを目の当たりにしながら、さみしさを抱えていた雪だるまくんにもまた、変化がおとずれるのです。 めぐりゆく季節の美しさとやさしさ。雪だるまとともに見つめる、心温まるおはなしです。
(竹原雅子 絵本ナビライター)

冬の山に生まれた雪だるまくん。春、夏、秋、そしてまた冬――季節の変化の中で「さびしさ」と「よろこび」を感じながら、雪だるまくんは自然の美しさと命の循環を見つめていきます。消えても、また出会える。うつろいゆく世界の中にある“つながり”と“希望”を描いた、心あたたまる四季の絵本。自然とともに生きる命のめぐりを、あたたかく描いた物語です。
|