パーチェムは平和のことなり 弥撒曲のフォルティッシモに響くパーチェム
歌集の題名はこの一首から取られた。「ドナ・ノービス・パーチェム」(Dona nobis pacem) は、「われらに平和を与えたまえ」という意味のラテン語で、バッハのロ短調ミサ曲にもこの歌詞があるという。初句と結句の二つの「パーチェム」が響き合い、音が耳にくっきりと残る。平和を祈る思いが込められた美しい一首である。
?吉川宏志《解説 結句の飛躍と、平和(パーチェム)への祈り》
学校のレモン石?まだあるか網に吊るされ月照る中に
事故なんかなかったように次々と再稼働するザクロの実たち
聖書読むわたしを褒めし父親の右腕にある比島の弾痕
礎(いしじ)の名なでて呟く「忘れたらかわいそうやさ」琉球木槿
あの戦争はつい最近のことなんです千年の樟の時間にすれば
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