多様に広がり、奥行きのある食の世界。本書はこの30年間に起きた食の変貌を区分けし、丹念に辿ったものである。
取り上げたのはデパ地下に象徴される中食の台頭、BSE(牛海綿状脳症)に代表される食のリスクとそれへの対応、食の安心を求める地産地消と食育の運動、2010年代に欧米から始まったフードテック(食分野の先端技術)の広がりの四分野。これにエピローグとして、令和のコメ騒動の展開を加えている。
食品は、一時期の中国産野菜の農薬残留に見られたようなリスクが常に伴う。個食、孤食などと呼ばれる食環境、肥満をもたらす食生活、さらには食関連企業による過失や意図的な偽装…人間自身の行動がリスクを高めていることも少なくない。生きる土台としての食の安全、安心、安定の有り様を事象から問いかける。巻末に1995年からの食の推移を示す年表を掲載。
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