なぜイギリスの中流階級は、インテリア自慢をしてきたのか
〈趣味〔テイスト〕〉 をキーワードに、
階級制度に根ざした室内装飾文化の形成をたどり、
ディケンズ、ギッシング、ジェイムズの小説にみられる室内装飾表象を分析する。
中流階級が支配的社会勢力となったヴィクトリア朝イギリス。貴族階級との差異化を意識した中流階級は、家庭生活と社会的体面〔リスペクタビリティ〕の維持に重きをおくようになる。1851年のロンドン万博を機に促された「デザイン改革」は、中流階級が従うべき「よき趣味〔テイスト〕」に基づく室内装飾を広めていった。「よき趣味〔テイスト〕」を反映した家具への関心は、「審美改革」の影響を受け、パーソナリティの表象となるインテリアの誕生へと連なってゆく。
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