さまざまな困難や不安をかかえている子どもや、そんな友だちの力になりたいと考えている子どもにむけて書かれたシリーズ(全6巻)の登場です。各巻のテーマにそって、子どもの気持ちに寄り添いながら、その困難や不安がどのようなものなのか、どう向き合えばいいのか、なにができるのかなどを、具体的につたえます。困った状況に陥っていたり、生きづらさを感じていたりする子どもに、解決につながる道や心の持ちようを示してくれる、いわば人生のガイドのような本です。イギリス発の本シリーズは読みすすめやすい絵本形式で、各巻のテーマカラーでまとめたシンプルなイラストと明快な文章とで構成されています。巻末には相談窓口の情報やブックリストも掲載されています。
第1巻となる本書のテーマは「いじめ」です。文部科学省の調査によれば、ここ数年のいじめ認知件数は増加中とのこと、いじめられている、周囲でいじめがあるなど、多くの子どもたちがいじめとは無関係ではいられない状況におかれていると思われます。本書では、悪口やなかまはずれ、暴力、ネットいじめやおとなからのいじめなど、さまざまなかたちをとるいじめに対して、どんな対策をとったらいいのか、具体的なアドバイスをあげています。そして、いちばん大切なのはだれかに話すことだと強調します。「いじめは対処するのがむずかしく、助けをもとめてもすぐには止まらないこともある」という文には、いじめがかんたんには解決しない問題である事実を突きつけられますが、安易なことばでまとめようとしない作者の真摯な姿勢を感じます。そんな作者からの、けっしてあきらめないで、というメッセージは子どもの心に届くことと思います。いま、いじめになやんでいるすべての子どもたちに手にとってほしい1冊です。
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