まっさきに生まれたのが「日本国憲法」です。あらためて全文を読んだときの驚きは、まさに目から鱗でした。
これ一冊が、「雨ニモマケズ」のように美しい詩のようでした。
法律の文章というのは読みづらいのですが、精神が高ければ、悪文もまた微笑ましく読めるものです。
編者はみずからの不明を恥じ、自戒をこめて、日本国憲法を「小さな学問の書」の創刊号にしました。
護憲とか改憲の論議が盛んです。争憲という言葉もでてきました。編者はそのどれにも与しません。
編者の考えは、「読憲」です。「よみけん」。まず憲法を読んでみる。その上で自分はどうするか、考えましょう。
この本の表紙で、編者はこう呼びかけました。
『子どもたち、この新しい世紀のはじめに、「日本国憲法」を読みなさい。
なぜいのちや一個人というものが尊いのか、なぜ自由や平等が大切であるのかを、
深く考え、話し合ってほしい。―そしてともに遠く未来を見つめよう。
千年後の子どもたちに遺すもの―青い星、地球。』
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