手芸作品の絵の素晴らしさは何も否定することはありませんが、
ストーリーは賛否が分かれるところではないかと思いました。
一旦は究極の自己犠牲が描かれていますが、みんなで1ページ程祈るだけであっさり完全復活を遂げてしまうところ・・・違和感を感じました。
例えば完全復活ではなく、数年後?数十年数百年後?に復活するかも?みたいな見せ方とか、全く同じ星ではなく、別のもっと抽象的な物に生まれ変わるとか、・・・・なにがベストかは分かりませんが、そうすればもっと命の重みや、行いの尊さがストーリーの中で生きたかな、などと感じました。
そして、子猿!!
絶望ゆえの叫びなのは理解出来ますが、歯をむき出し拳を振り上げたイラストの雰囲気からすると、助けてくれなかったから即座に悪態をついたようにしか見えないんですね。
もうちょっとこの子猿が絶望の表情で叫んでいたら同情出来たんですが、きらりが力及ばずして助けられなかった事に対して、助けてもらえなければ悪態をつくという姿勢に、人間の(猿ですが)心の弱さゆえの醜さなどを象徴している気がして、綺麗なイラストと美しいストーリーの中に不快な棘のようにひっかかりました。作者は意図的にそのように表現したのかもしれませんが。なんというか、イラストの世界観とアンバランスに感じたんです。
幼児ならそんなところに違和感を感じることなく純粋に世界観を楽しめるかもしれません。
ストーリーは星二つで、イラストは星4つというところでした。