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なかなかよいと思う 読み手によって受け取り方がまったく違う絵本  投稿日:2016/10/18
くいしんぼうのあおむしくん
くいしんぼうのあおむしくん 作: 槙 ひろし
絵: 前川 欣三

出版社: 福音館書店
私が7歳の頃に、妹がこの絵本を貰って帰ってきました。
弟が読み聞かせてもらっているのを一緒に見ていたので、「くいしんぼうのあおむしくん」を読んだのは一回きりです。とても衝撃的だったので今でもはっきりと話と絵を覚えています。
正直トラウマなので、読み聞かせるお子さんの性質をよく考えた上で購入されるとよいと思います。

あらすじは他のレビューにある通りです。
当時七歳の私には、すべてを食べつくしたあおむしが宇宙で笑うラストはとんでもないバッドエンドでした。ギャン泣きです。
今でも屈指の後味の悪いエンディングです。
あおむしくん以外はみんな元の通りに暮らしているのに、あおむしくんだけはもう友達の男の子にも会えずひとりぼっち。それに至る理由も「お腹が空いているから」という悲しく罪のないものです。
当時は遣る瀬無くて、こんな話があることに腹が立って仕方がありませんでした。

しかしながら私が打ちのめされた一方で、妹は「不思議」「元通りでよかった」と言っていました。また、最近になってこの絵本を話題に出したところ、きれいさっぱり忘れていました。
私と違って何度も読んでいたのですが、彼女にとってはあまり思うところのない楽しい絵本だったのでしょう。

受け取り方は千差万別です。
箱庭的な世界観も含めて、人によってはとても大きな衝撃や影響を受ける絵本だと思います。
当時これ以上に悲しくて腹が立った絵本はありませんでした。
正直個人的には子供時代に読む機会に恵まれたくはありませんでしたが、人の心に強く残るものがあるという点で、とても良い絵本だと思います。
そのうえで大いに人を選ぶので☆4つという評価にいたしました。
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